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血圧の薬

ノルバスク、アダラート、アテレック、ヘルベッサーの違い、特徴。カルシウム拮抗薬の特徴とは。

要点

降圧効果の順
降圧力が強いもの
アムロジピン(薬剤名アムロジン、ノルバスク)
ニフェジピン(薬剤名アダラート):1日80mgまで増量すれば降圧力は最大

降圧力がやや強いもの
アゼルニジピン(薬剤名カルブロック)
ベニジピン(薬剤名コニール)

降圧力がマイルドなもの
シルニジピン(薬剤名アテレック)
エホニジピン(薬剤名ランデル)
ニルバジピン(薬剤名ニバジール)

降圧力が弱いもの
ジルチアゼム(薬剤名ヘルベッサー):主に狭心症に使用

タンパク尿を減らす効果が期待できるもの
シルニジピン(薬剤名アテレック):腎保護作用の報告が多い
エホニジピン(薬剤名ランデル)
ベニジピン(薬剤名コニール)
アゼルニジピン(薬剤名カルブロック)
これらの薬剤は、高血圧症かつ蛋白尿が出ている人に向いていると考えられる。

授乳中でも使用が可能と考えられるもの
アムロジピン(商品名ノルバスク、アムロジン)
ニフェジピン(商品名アダラート)
ジルチアゼム(商品名ヘルベッサー)

各薬剤の抑制チャネル一覧表
L、N、T型のチャネルについてはこちらをご参照ください。


血圧を下げる効果が強く、よく使用されるもの。必ず知っておきたいCa拮抗薬

アムロジピン(薬剤名アムロジン、ノルバスク)
●L型のカルシウムチャネルを抑制。
●臨床試験のデータが豊富で、カルシウム拮抗薬の中でも非常によく使用される。
●血圧を下げる効果はゆっくり発現し、服用後4~6 時間で最大1)
●狭心症の治療や、小児の高血圧の治療にも使用可能。

効果の持続時間がカルシウム拮抗薬の中でも一番長く、通常1日1回の服用。
急激に血中濃度が上昇することもなく、また急激な血管拡張作用もないため、副作用の頭痛や心拍数の上昇をきたしにくい1)4)
●1 日1 回の投与により24 時間にわたり降圧効果と抗狭心症効果を示す。
狭心症に対する有効率は74.0%で、内訳は労作性狭心症が82.0%、労作兼安静狭心症が61.4%1)

授乳中にも使用が可能と考えられている薬剤の1つ2)

ニフェジピン(薬剤名アダラート)
●L型のカルシウムチャネルを抑制。
●強力な血管拡張作用を持つ反面、頭痛・顔面紅潮・反射性頻脈などの副作用はアムロジピンより起こしやすいとされる。
●血圧を下げる効果は強いが、作用時間が短く1日3回服用するという欠点があった。そこで、効果が持続するように改良されたL錠(通常1日2回の服用)が、その次にCR錠(通常1日1回の服用)が誕生
L錠とCR錠は、ゆっくり溶け出すように改良されているため、噛み砕いたり粉砕して服用してはいけない。

●1日80mg(CR錠40mg×2回/日の適応あり)まで増量すれば、カルシウム拮抗薬の中でも降圧力は最大。
●狭心症の治療にも使用され、労作狭心症、異型狭心症に有用。
異型狭心症(冠動脈の異常収縮により起こる)に対する有効率は88. 24%とする報告があり3)その効果はジルチアゼム(商品名ヘルベッサー)よりも切れ味がよい5)
●異型狭心症は男性に多く、就寝中や明け方近くに出現し、発作は10分くらいの間隔をおいて繰り返し出現することが多い。

●血圧の薬の多くは妊娠中には使用は禁忌だが、ニフェジピンは妊娠高血圧(ただし妊娠20週以降に限る)の治療の選択肢の1つ
また、授乳中でも使用が可能と考えられている薬剤の1つ2)
グレープフルーツにより薬の効果が増強されやすいとされるので注意が必要。
●適応外処方で、食道アカラシアに使用されることがある。
食道アカラシアとは、下部食道括約筋の弛緩不全や食道の運動障害により、胃にスムーズに食物が送られなくなる疾患。

参考
1)ノルバスクIF
2)高血圧ガイドライン2014
3)アダラートCR IF
4)透析患者への投薬ガイドブック 2版
5)循環器治療薬ファイル

 

 

血圧を下げる効果がやや強いもの

アゼルニジピン(薬剤名カルブロック)
●L型とT型のカルシウムチャネルを抑制。
●降圧力はやや強く、1 日1 回の服用で24 時間持続した降圧作用を示す。
●カルシウム拮抗薬の中でも頭痛、顔のほてり等の副作用は比較的少なく、反射性頻脈を起こしにくいと言われている1)
タンパク尿を減らす効果が期待できる2)3)

●本剤の作用が増強される恐れがあるため、以下の薬剤とは併用禁忌。
①真菌治療薬
□イトラコナゾール(薬剤名イトリゾール、イトラートなど)
□ミコナゾール(薬剤名フロリードゲル経口用)

②HIV治療薬
□リトナビル(薬剤名ノービア)
□リトナビル含有製剤(薬剤名カレトラ)
□サキナビル(薬剤名インビラーゼ)
□インジナビル(薬剤名クリキシバン)
□コビシスタット含有製剤(薬剤名スタリビルド)

ベニジピン(薬剤名コニール)
●L型・T型・N型の3つのカルシウムチャネルを抑制。
●血圧を下げる効果はやや強い。
●狭心症の治療にも使用される。
●狭心症に対しては60.8%の改善率(改善以上)を示し、内訳は労作狭心症が59.2%、労作・安静狭心症では63.9%の改善率という報告がある4)

●通常、高血圧症の治療では1日1回、狭心症治療では1日2回の服用。
タンパク尿を減らす効果が期待できる5)
●アダラートCR錠よりも血液透析患者の血圧コントロールに優れているという報告がある6)
●ベニジピンは細胞膜に溶け込んで安定した作用を示す薬剤で、薬理作用が血中濃度依存的ではない。Tmaxも半減期も約1時間程度だが、高血圧治療に使用する場合に1日1回投与で良いのはこのため。

参考
1)カルブロックIF
2)Am J Nephrol. 2012;35(5):416-23. doi: 10.1159/000338132. Epub 2012 Apr 20.
3)Hypertens Res. 2011 Aug;34(8):935-41. doi: 10.1038/hr.2011.67. Epub 2011 Jun 9.
4)コニールIF
5)Hypertens Res. 2007 Sep;30(9):797-806.
6)透析患者への投薬ガイドブック 2版

血圧を下げる効果がマイルドなもの

シルニジピン(薬剤名アテレック)
●L型とN型のカルシウムチャネルを抑制。
●血圧を下げる効果はマイルドで、通常1日1回の服用。
●交感神経亢進による早朝高血圧1)や、ストレス性高血圧(寒冷ストレス、精神ストレス)に対しても有効とする報告がある2)
●血圧を下げたときの心拍数増加はみられず2)、カルシウム拮抗薬の中でも、頻脈、むくみを起こしにくいと言われている。

タンパク尿を減らす効果が期待できる3)4)
●血管だけではなく、交感神経の終末にも作用するのが他のカルシウム拮抗薬と異なる大きな特徴。
●交感神経の終末に作用し、交感神経興奮により引き起こされるノルアドレナリンの過剰放出を抑制することで心拍数の増加を抑制し、また交感神経亢進による早朝高血圧やストレス性高血圧を抑える効果が出ると考えられている2)

エホニジピン(薬剤名ランデル)
●L型とT型のカルシウムチャネルを抑制。
●血圧を下げる効果はマイルド。狭心症治療にも使用される。
●通常、高血圧症の治療では1日1~2回、狭心症治療では1日1回の服用。
タンパク尿を減らす効果が期待できる5)

ニルバジピン(薬剤名ニバジール)
●L型とT型のカルシウムチャネルを抑制。
●血圧を下げる効果はマイルドで、通常1日2回の服用。

参考
1) Hypertens Res. 2006 May;29(5):339-44.
2)アテレックIF
3) Kidney Int. 2007 Dec;72(12):1543-9. Epub 2007 Oct 17.
4) Journal of Hypertension: October 2010 – Volume 28 – Issue 10 – p 2156–2160
5) Hypertens Res. 2007 Jul;30(7):621-6.

 

 

血圧を下げる効果は弱いけど、狭心症治療によく使われるもの

ジルチアゼム(薬剤名ヘルベッサー)
●L型のカルシウムチャネルを抑制。
血圧を下げる効果は弱いが、他のカルシウム拮抗薬とは異なり脈拍を減らし、心臓の負担を軽減する効果があり、頻脈傾向の軽度高血圧症の人に向いている
狭心症の治療にも使用され、中でも特に異型狭心症に有効。その効果はニフェジピン(商品名アダラート)よりは弱いため、ニフェジピンが副作用などで使いにくい時や、あまり血圧を下げたくないときに使用を検討する。
●どちらかというと、高血圧症の治療よりも、血圧が高くない人の狭心症の治療によく使用される。

●錠剤とカプセルの2種類があり、錠剤は通常1日3回の服用。カプセルは改良されており、通常1日1回の服用。
●カプセル(1日1回服用)は、高血圧症、労作性狭心症、労作・安静狭心症、異型狭心症に対して、錠剤(1日3回服用)と同等もしくはそれ以上の効果を有することが認められている1)
授乳中にも使用が可能と考えられている薬剤の1つ2)
●一般に、カルシウム拮抗薬同士を併用することはないが、ジルチアゼムは他のカルシウム拮抗薬と併用する場合がある。このときは、ジルチアゼムには血圧ではなく狭心症に対する効果を期待し、他のカルシウム拮抗薬で血圧を下げる効果を期待している場合が多い。

●CYP3A4を阻害し、トリアゾラム(商品名ハルシオン)の血中濃度を2倍に上昇させるという報告があり、注意が必要3)

参考
1)ヘルベッサーR IF
2)高血圧ガイドライン2014
3)Clin Pharmacol Ther. 1996 Apr;59(4):369-75.

 

 

他にもカルシウム拮抗薬はありますが…

ニカルジピン(薬剤名ペルジピン)
ニソルジピン(薬剤名バイミカード)
ニトレンジピン(薬剤名バイロテンシン)
バルニジピン(薬剤名ヒポカ)
フェロジピン(薬剤名ムノバール、スプレンジール)
マニジピン(薬剤名カルスロット)
アラニジピン(薬剤名サプレスタ、ベック)
などの使用頻度は多くなく、これらの薬の新規処方は減ってきています。

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