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血圧の薬

カルシウム拮抗薬の基本情報、分類、チャネル(L・N・T型)について。

カルシウム拮抗薬の基本情報

●高血圧患者の多くの症例で、第一選択薬となるお薬です。

血管細胞内にカルシウムが入ると血管が収縮し、血圧が上昇します。カルシウム拮抗薬は、カルシウムが血管細胞内に入るのをブロックすることで血管の収縮を抑え、血管を拡張します。
血管が拡張された結果、血管にかかる圧力が減り、血圧が下がります。

●ただ血圧を下げるだけではなく、心臓に酸素・栄養を送る太い血管である冠動脈を広げて狭心症にも効果を発揮するお薬もあります

●尿中にタンパクが漏れ出ると腎臓の機能が低下していきますが、カルシウム拮抗薬の中には、尿中にタンパクが漏れ出るのを減少させ、腎臓の機能が低下するのを抑制する効果が期待される薬もあります。
これは、腎臓内の血管(輸出細動脈)を広げ、腎臓の内部にかかる圧力(正確には、糸球体内圧)を下げることによって尿タンパクが減るからと考えられています。

●糖代謝や脂質代謝に悪影響を与えにくく、糖尿病や脂質異常症を合併する高血圧の人にも有用です。

●グレープフルーツジュースやグレープフルーツの果肉に含まれる成分により、カルシウム拮抗薬の作用が増強される可能性があり、注意が必要なときがあります。
カルシウム拮抗薬の種類によっては影響を受けやすいもの(例:ニフェジピン)、受けにくいもの(例:アムロジピン)がありますが、カルシウム拮抗薬を服用中は、グレープフルーツの摂取は控えたほうが無難と考えられます。

●多くのカルシウム拮抗薬は、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用できませんが、妊娠20週以降ではニフェジピン(商品名アダラート)が使用可能です。

●腎不全や透析患者でも減量をせず、通常量を使えることが多いです。

●副作用で、顔のほてり、めまい、むくみ、頭痛、便秘、頻脈(注:ベラパミル、ジルチアゼムでは逆に徐脈)などが起こるときがあります。

□副作用に関する発展事項
顔の血管が拡張するとほてり、頭の血管が拡張すると頭痛、足の血管が拡張すると下肢のむくみが起こったりします。

血管だけではなく、下部食道括約筋(食道下部と胃の接合部にある括約筋)、腸管平滑筋を弛緩させることがあります。
下部食道括約筋の弛緩により胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎の症状(胸やけ、げっぷなど)などが出ることがあります。

腸管平滑筋が弛緩すると、腸の収縮が弱くなり便がスムーズに動かなくなり便秘になることがあります。

薬により血圧が急に下がると、血圧を上昇させて血圧を維持しようという生体の反応があります。この反応により反射性頻脈が起こることがあります。

カルシウム拮抗薬の分類

ジヒドロピリジン系
アムロジピン(商品名ノルバスク)など、多くのカルシウム拮抗薬がジヒドロピリジン系です。
末梢血管の選択性が高く、血管拡張作用が強いです。心臓に対してはほとんど作用しません。

フェニルアルキルアミン系
ベラパミル(商品名ワソラン)があります。
心筋選択性が高く、房室伝導抑制作用、心筋収縮抑制作用が強いです。
血管拡張作用もわずかにありますが、高血圧に対する適応はありません。

ベンゾチアゼピン系
ジルチアゼム(商品名ヘルベッサー、ヘルベッサーR)があります。
ジヒドロピリジン系とフェニルアルキルアミン系の中間の薬剤で、血管拡張作用、房室伝道抑制作用、心筋収縮抑制作用を持ち合わせています。
注意:ベンゾアゼピン系ではありません。

L型、N型、T型チャネルについて

L型チャネル
カルシウム拮抗薬は、血管平滑筋・心筋などのL型カルシウムチャネルを抑制することで、血管拡張作用・房室伝導抑制作用・心筋収縮抑制作用を示します。

腎の輸入細動脈にも作用して輸入細動脈を拡張しますが、輸出細動脈は拡張しないため、糸球体内圧が上昇し、糸球体に負荷がかかることが懸念されています。

カルシウムチャネルはL型だけではなくT型やN型もあり、カルシウム拮抗薬の中にはこのT型・N型に作用するものもあります。


T型チャネル
T型チャネルは、洞結節、腎輸入細動脈、輸出細動脈などに存在します。
T型チャネル抑制により、脈拍数低下があるとされます。

また、腎の輸入細動脈だけでなく輸出細動脈も拡張するので、糸球体内圧が下がるのが特徴です。糸球体内圧が下がることで、蛋白尿減少作用があると報告されています。

T型チャネルも抑制するカルシウム拮抗薬
アゼルニジピン(商品名カルブロック)、ベニジピン(商品名コニール)、エホニジピン(商品名ランデル)、ニルバジピン(商品名ニバジール)があります。

N型チャネル
N型チャネルは交感神経終末や腎輸出細動脈に存在します。

N型チャネルを抑制することで、カテコールアミンの放出が抑制され、脈拍数低下に働いたり、腎輸出細動脈拡張により糸球体内圧が低下したりします。

N型チャネルも抑制するカルシウム拮抗薬
シルニジピン(商品名アテレック)、ベニジピン(商品名コニール)があります。

抑制するチャネルのまとめ

薬剤名 抑制するチャネル
アムロジピン
(ノルバスク)
L型
ニフェジピン
(アダラート)
L型
アゼルニジピン
(カルブロック)
L型+T型
ベニジピン
(コニール)
L型+T型+N型
エホニジピン
(ランデル)
L型+T型
ニルバジピン
(ニバジール)
L型+T型
シルニジピン
(アテレック)
L型+  N型

N型/T型チャネルの抑制により輸出細動脈が広がり、糸球体内圧が低下します。

 

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