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糖尿病

SGLT2阻害薬は心不全に有効か?エビデンスで紹介、EMPA-REG OUTCOME試験、DECLARE試験とは?

SGLT2阻害薬のエビデンス:血糖降下作用以外の効果とは?

エンパグリフロジン(ジャディアンス®
●心血管死亡が減少
●心不全による入院が減少

カナグリフロジン(カナグル®
●心不全による入院が減少
●アルブミン尿の進行抑制
●腎不全リスクが低下

ダパグリフロジン(フォシーガ®
●心不全による入院が減少
●尿中アルブミン排泄量が減少

などが報告されています。以下に、それぞれの詳細をご紹介します。

エンパグリフロジン(ジャディアンス®

EMPA-REG OUTCOME試験
 心血管疾患の既往があり、血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者7020人を対象とした、心血管病の2次予防試験(中央値で3.1年追跡)。

主要評価項目
主要心血管イベントMACE心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合)の発症リスク
・エンパグリフロジン群10.5%
・プラセボ群は12.1%
・エンパグリフロジン群で14%減少
・ハザード比0.86(95.02%信頼区間CI:0.74~0.99、非劣性に関するP<0.001、優越性に関するP=0.04)

各項目について
心血管死亡
・エンパグリフロジン群3.7%
・プラセボ群5.9%
・エンパグリフロジン群で38%減少
・ハザード比0.62(95%CI:0.49~0.77、P<0.001)

非致死的心筋梗塞
有意差なし
・ハザード比0.87(95%CI:0.70~1.09)

非致死的脳卒中
有意差なし
・ハザード比1.24(95%CI:0.92~1.67)

★主要評価項目の有意なリスク減少は心血管死亡の減少が大きく寄与していると考えられます。

副次評価項目
心不全
・エンパグリフロジン群2.7%
・プラセボ群4.1%
・エンパグリフロジン群で35%減少
・ハザード比0.65(95%CI:0.50~0.85、P=0.002)

また、EMPA-REG OUTCOME試験の事後解析によると、CKD(慢性腎臓病)合併*)の2型糖尿病患者でも、心血管死亡リスク・心不全による入院リスクが減少することがわかりました。
*)腎機能低下は、eGFR 60mL/分/1.73m2未満かつ/または尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)300mg/g超と定義。

心血管死亡リスク
・エンパグリフロジン群で29%減少
・ハザード比0.71(95%CI:0.52~0.98)

心不全による入院のリスク
・エンパグリフロジン群で39%減少
・ハザード比0.61(95%CI:0.42~0.87)

エンパグリフロジン:
心血管疾患もしくはCKDを合併している糖尿病患者
→「心血管死亡」と「心不全」が減少

 

カナグリフロジン(カナグル®

1.CANVASプログラム(CANVAS試験とCANVAS-R試験の評価)
 血糖コントロールが不良(HbA1c 7.0~10.5%)の2型糖尿病、心血管疾患の既往がある30歳以上、または既往はないが心血管リスクを2つ以上持つ50歳以上の患者が対象。

対象者数は10,142例(CANVAS:4330例、CANVAS-R:5812例)、平均追跡期間は3.6年(CANVAS:5.7年、CANVAS-R:2.1年)。

主要評価項目
心血管死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率
・カナグリフロジン群が26.9人/1,000人・年
・プラセボ群が同31.5人/1,000人・年
・カナグリフロジン群で14%減少
・ハザード比:0.86(95%CI:0.75~0.97)、非劣性(P<0.001)、優越性(P=0.02)

各項目について
どの項目も、プラセボ群よりもカナグリフロジン群が少ない傾向であった。

心血管死亡
・11.6 vs 12.8人/1,000人・年
・ハザード比0.87(95%CI:0.72~1.06

非致死性心筋梗塞
・9.7 vs 11.6人/1,000人・年
・ハザード比0.85(95%CI:0.69~1.05

非致死的脳卒中
・7.1 vs 8.4人/1,000人・年
・ハザード比0.90(95%CI:0.71~1.15

副次評価項目
総死亡
・カナグリフロジン群で13%減少したが、有意ではなかった
・ハザード比0.87(95%CI:0.74~1.01、P=0.57)

心不全による入院
・カナグリフロジン群で33%減少
・5.5 vs 8.7人/1,000人・年
・ハザード比0.67(95%CI:0.52~0.87)

アルブミン尿の進行
・カナグリフロジン群で27%減少
・89.4 vs 128.7人/1,000人・年
・ハザード比0.73(95%CI:0.67~0.79)

 

2.CREDENCE試験
 eGFRが30~90mL/分/1.73m2未満、レニン・アンジオテンシン系阻害薬を服用している、30歳以上の2型糖尿病患者(アルブミン尿あり)を対象とした試験。追跡期間の中央値は2.62年(範囲は0.02~4.53年)。

主要評価項目
◇「末期腎臓病(30日以上の透析、腎移植、eGFRが15mL/分/1.73m2未満)」、「血清クレアチニン値がベースラインから倍増した状態が少なくとも30日以上続く場合」、または「腎臓病や心血管疾患による死亡」の複合イベントの発生率。

・カナグリフロジン群が43.2人/1000人・年
・プラセボ群が61.2人/1000人・年
・カナグリフロジン群で30%減少
・ハザード比0.70(95%CI:0.59~0.82)

各項目について
末期腎臓病
・カナグリフロジン群で32%減少
・ハザード比0.68(95%CI:0.54〜0.86、P=0.002)

血清クレアチニン値
・カナグリフロジン群で40%減少
・ハザード比0.60(95%CI:0.48-0.76)

腎臓病による死亡
・イベント数が少ないため、評価できなかった

副次評価項目
心不全による入院
・カナグリフロジン群で39%減少
・ハザード比0.61(95%CI:0.47〜0.80、P<0.001)

カナグリフロジン:
心血管疾患の既往or心血管リスクのある糖尿病患者
→「心不全による入院」、「アルブミン尿の進行」を減少

腎機能が低下している糖尿病患者
→「腎不全」、「心不全による入院」が減少

 

ダパグリフロジン(フォシーガ®

1.DECLARE-TIMI58試験
 日本を含む33カ国から登録された1万7160例を対象にした試験(中央値で4.2年追跡)。対象は、心血管疾患の既往がある40歳以上か、複数の心血管リスクがある男性55歳以上・女性60歳以上の2型糖尿病患者。

主要評価項目
主要心血管イベントMACE心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合)の発症リスク
・ダパグリフロジン群で8.8%
・プラセボ群で9.4%
・ダパグリフロジン群で7%のリスク減少
・ハザード比 0.93(95%CI:0.84~1.03、p=0.17)、統計学的な有意差はなし

心不全による入院、心血管死の複合イベントの発生率
・ダパグリフロジン群4.9%
・プラセボ群5.8%
・ダパグリフロジン群は17%の有意なリスク減少
・ハザード比0.83(95% CI:0.73~0.95、p=0.005)

各項目について
心不全の入院
・ダパグリフロジン群で27%減少
・ハザード比0.73(95%CI:0.61~0.88)

◇心血管死亡
・ダパグリフロジン群で2%減少
・ハザード比0.98(95%CI:0.82~1.17)で有意差なし

★主要評価項目の有意なリスク減少は心不全の入院の低下が寄与していると考えられます。

2.DELIGHT試験
 レニン・アンジオテンシン系阻害薬を服用している、中等度から重度のCKDを合併する2型糖尿病患者に、ダパグリフロジンとDPP-4阻害薬サキサグリプチンを投与した試験。日本も含めた9カ国116施設が参加した。

主要評価項目
尿中アルブミン・クレアチニン比(UACR)
プラセボ群との、平均UACR変化量の差は次の通り。

・ダパグリフロジン単独群:
-21.0%(95%CI:-34.1~-5.2%、p=0.011)

・ダパグリフロジン+サキサグリプチン併用群
-38.0%(95%CI:-48.2~-25.8%、p<0.0001)

ただし、追跡期間が24週と短く、長期的な効果については不明であることに注意が必要。

ダパグリフロジン:
心血管疾患の既往or心血管リスクのある糖尿病患者
→心不全による入院を減少

中等度から重度のCKDを合併する2型糖尿病患者
→短期的には尿中アルブミン排泄量は減るが、長期的な効果はまだ不明。

参考:
EMPA-REG OUTCOME試験
CREDENCE試験
DECLARE-TIMI58試験
DELIGHT試験      

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