抗結核薬のイソニアジド服用中は食事の内容に気を付けないと、ヒスタミンやチラミンによる不快な症状が出る場合がある。
体内では、ヒスタミンはMAO(モノアミンオキシダーゼ)とDAO(ジアミンオキシダーゼ)で、チラミンはMAOで代謝されるため、通常は問題とはならない。
しかし、イソニアジドはMAOとDAOを阻害してしまう働きをもっている。
イソニアジド服用中は魚に注意!
魚肉に含まれているヒスチジンは脱炭酸酵素によってヒスタミンになる。これは鮮度の低下に伴って起こりやすい。
通常、ヒスタミンを経口摂取してもMAO、DAOにより代謝されるが、イソニアジド服用中だとこれらの酵素を阻害してしまう。そのため、新鮮ではない魚を食べるとヒスタミン中毒を起こすことがある。
ヒスタミン中毒の症状:頭痛、顔面紅潮、発疹、蕁麻疹、吐き気・嘔吐、発汗など。
イソニアジド服用中に気を付けたほうがよい魚:(鮮度の落ちた)マグロ、カツオ、ブリ、ハマチ、サバ、アジ、サンマなど。
注意!
魚の鮮度が落ちれば落ちるほどヒスタミンが魚肉中に増えていくので、イソニアジドの服用に関係なくヒスタミン中毒は起こりうることである。
イソニアジド服用中はチーズ、ワインなどに注意!
食べ物の中にはチラミンを含むものがあるが、チラミンはMAOにより代謝されるため通常は問題は起こらない。
しかし、イソニアジド服用中だとチラミンが過剰となり、発汗、動悸、頭痛、血圧上昇、吐き気・嘔吐などの症状がでることがある
チラミンを多く含む食品:チーズや牛乳などの乳製品、ビール、ワイン、レバーなど。
イソニアジド服用中はマグロ、チーズ、ワインなどに注意!
<結核の標準治療>
リファンピシン(RFP)、イソニアジド(INH)、エタンブトール(EB)、ピラジナミド(PZA)の4剤を2か月間併用し、その後RFPとINHの併用を4カ月行うこと。
参考:「結核医療の基準」の改訂―2018』
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