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腸疾患、排便

ペンタサ、アサコール、リアルダの違いと特徴。進化するメサラジン製剤。

潰瘍性大腸炎の薬 メサラジンとは

メサラジンは潰瘍性大腸炎に対して優れた抗炎症作用を発揮するが、経口投与では大部分が小腸で吸収されてしまう。そのため、潰瘍性大腸炎の病変部位である大腸に十分なメサラジンが送達されるように、様々なドラッグデリバリーシステムが開発されてきた。

 

 メサラジン(5-アミノサリチル酸:5-ASA)製剤(内服)の種類

大きく分けると次の4種類がある

サラゾスルファピリジン製剤:サラゾピリン®
時間依存性徐放剤:ペンタサ®錠、顆粒
pH依存性徐放剤:アサコール®
ペンタサ・アサコールとは異なる放出調整製剤:リアルダ®

 

●サラゾピリン®
投与されたサラゾスルファピリジンの約3分の1は小腸でそのままの形で吸収されるが、残りの大部分は大腸に運ばれる。サラゾスルファピリジンは大腸の腸内細菌の作用を受けて5-アミノサリチル酸(5-ASA)とスルファピリジンに分解され、吸収される。
通常1日4~6回服用する。
特徴的な副作用として、男性患者において精子数の減少や運動能の低下を引き起こすことがあるが、薬剤の中止によりもとに戻る。

 

●ペンタサ®
エチルセルロースでコーティングした放出調節製剤で、腸管内で徐々に放出される。小腸から大腸に至る広範囲でメサラジンを放出し、潰瘍性大腸炎とクローン病に適応(両病変とも小児・成人に適応)がある。

5-ASA製剤で小児に適応があるのはペンタサ®のみ。クローン病に適応があるのもペンタサ®のみ。

錠剤は、二分割して服用可能。
通常1日3回服用。必要に応じて、寛解期は1日1回、活動期は1日2回の服用が可能。

 

●アサコール®
高分子ポリマーでコーティングした放出調節製剤で、pH7以上となる回腸末端から大腸全域にメサラジンを放出する。そのため適応は潰瘍性大腸炎のみ。

通常1日3回の服用。寛解期には、必要に応じて1日1回の服用が可能。

 

●リアルダ®
素錠部の製剤的な工夫と、pHに反応性のある高分子フィルムによるコーティングが施され、メサラジンを大腸全域で持続的に放出し、さらに直腸からS状結腸部位への送達性も高まったといわれる。適応は潰瘍性大腸炎のみ。
通常1日1回の服用。ペンタサ®、アサコール®より服用回数が少なくてすむ

冷所保存の薬であることに注意。 また、吸湿により溶出性に影響を及ぼすことがあるため、一包化調剤することは避けることになっている。

<リアルダの詳細なメカニズム>
親水性基剤及び親油性基剤からなるマトリックス中にメサラジンを分散させた素錠部に、pH応答性の高分子フィルムによるコーティングを施している。

これにより、胃内および小腸付近でのメサラジンの放出が抑制されている。

本剤が大腸付近へ移行すると、高分子フィルムが溶解して素錠部が腸液にさらされ、親水性基剤及び親油性基剤が腸液の素錠部内部への浸透を抑制し、メサラジンが徐々に消化管中に放出される。

 

<共通の注意事項>
ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®は放出調整製剤のため、かみ砕いて服用したり、粉砕してはいけない。

 

ペンタサ錠の粉砕指示!これって疑義照会?

通常は疑義照会だが、クローン病に関しては薬効発現部位の調節のため粉砕指示がされることがある。

クローン病は口腔~肛門までの消化管の、どの部分にも発現する非連続性の病変。

病変部位が口腔、食道、胃の場合は、ペンタサ®、アサコール®、リアルダ®を普通に服用しても効果が得られない。そのため、病変部位が口腔、食道、胃の場合はペンタサ錠を粉砕し服用する場合がある。

 

同じ成分だけど適応が違うの?

サラゾスルファピリジンの素錠であるサラゾピリン®の適応は潰瘍性大腸炎、腸溶錠のアザルフィジンEN®の適応は関節リウマチ。

同じ成分でも適応が異なることがある。

アザルフィジンの適応が関節リウマチのみなのは、なぜですか?

本剤の開発時点で、すでに素錠のサラゾスルファピリジン錠(サラゾピリン®錠)が炎症性腸疾患の適応で承認・販売されていました。関節リウマチの効能取得においては、1984年、胃障害軽減を目的に腸溶性製剤である本剤で臨床試験が行われ、1995年、その有用性により承認されました。そのため、アザルフィジンの効能・効果は関節リウマチのみとなっています。

あゆみ製薬株式会社 よくある質問より

 

コレスチラミンで回腸の炎症が抑制?

⼤阪⼤学 ⼤学院医学系研究科 免疫制御学によると、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患は、胆汁酸が関係しているとのこと。

同大学のマウスの実験結果では、胆汁酸を吸着するコレスチラミンを含んだエサを食べたマウスは胆汁酸の排出が促進され、回腸の炎症が抑制された。

将来的には、胆汁酸を標的とした薬が、クローン病や潰瘍性大腸炎などの新しい治療法になるかもしれない。

参考:⼤阪⼤学 ⼤学院医学系研究科 免疫制御学によるリリース資料

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