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感染症・抗生剤・抗ウイルス薬

βラクタム系抗生物質には何がある?ペニシリン・セフェム系が無効な微生物がある?

βラクタム系抗生物質の種類

βラクタム系はβラクタム環を有しており、次の5種類があります。
●ペニシリン系
●セフェム系
●カルバペネム系
●ペネム系
●モノバクタム系


以下に代表的な薬剤の構造式を載せておきます。
それぞれにβラクタム環があることに注目してください。

βラクタム系抗生剤の作用機序

ペニシリン結合蛋白(PBP)に作用し、細菌の細胞壁合成を阻害することで効果を発揮します。

 

βラクタム系抗生物質が無効な微生物

5種類のβラクタム系が無効な微生物
●マイコプラズマ(そもそも細胞壁がない)
●MRSA(PBPの変異)

セフェム系が無効
●腸球菌
●リステリア

カルバペネム系が無効
●腸球菌

☆抗生剤が何に対して有効かなのかは当然大事ですが、何に無効なのかはそれ以上に重要です

<参考>
マイコプラズマの治療薬
以前はマクロライド系で治療できましたが、最近はマクロライド耐性のマイコプラズマが増えてきています。
代替薬としてニューキノロン系やテトラサイクリン系があります。

MRSAの治療薬
第一選択薬に、グリコペプチド系抗生剤のバンコマイシン(VCM)があります。

腸球菌の治療薬
アンピシリン。腸球菌の耐性化が進行しており、VCMでないと効かないものが増えてきました。最悪なことにVCMが効かない腸球菌(VRE)も出現し、この場合はリネゾリドで治療します。

リステリアの治療薬
アンピシリン。

 

MRSAとは?

MRSA
メチシリンに耐性を獲得した黄色ブドウ球菌。

メチシリン
細菌が産生するβラクタマーゼ(βラクタムを分解する酵素)に安定で分解されないのが特徴。ただし、間質性腎炎の頻度が高いことが問題となり、もう発売はされていません。

MRSAの耐性獲得のメカニズムは、βラクタマーゼ産生によるものではなく、PBPがPBP2aへと変異したことによります。PBP2aとなったことで、βラクタム系との親和性が低下し、耐性を獲得しました。

その結果、MRSAはPBPに作用する全てのβラクタム剤に耐性となり、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、ぺネム系、モノバクタム系はMRSAに無効です。

βラクタマーゼの種類

クラスA
ペニシリナーゼ:ペニシリン系、第一世代セフェム系を分解。

クラスB
カルバペネマーゼ(メタロβラクタマーゼ):カルバペネム系、第1~4世代セフェム系を分解。

クラスC
セファロスポリナーゼ:第一世代セフェム系を分解。

クラスD
ペニシリン系、クラスAに安定なペニシリン、第一世代セフェムを分解。

 

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