溶連菌にはペニシリン
溶連菌(A群溶連菌:Streptococcus pyogenes)は細菌性急性咽頭炎の原因菌の1つ。
ペニシリン系にほぼ100%感受性があるので、第一選択薬はペニシリン系(サワシリン®など)。
ではペニシリンアレルギーの時はどうするか?
ペニシリンアレルギー時の代替には以下のものがある。
●第3世代セフェム系
ほぼ100%感受性がある。
ただし、ペニシリン系とセフェム系の交差反応は、第1世代では5~16%、第2世代が約10%、 第3世代が 2~3%とされているため、念のため注意が必要。
●クリンダマイシン(ダラシン®)
厚生労働省院内感染対策サーベイランスによると感受性は約84%。
●クラリス®
ただし、最近は耐性菌が増えてきているので、推奨しにくい。
そんなときは
●ニューキノロン系のクラビット®も選択肢にあがる。
自称ペニシリンアレルギーに注意!
多くは真のアレルギーではなく、ペニシリンを服用しても差し支えない場合が多い。
アレルギー歴があるという患者のうちアレルギー検査で陽性となるのは2%にも満たないとの報告もある。
その理由として
①患者自身の勘違い
②Ⅰ型アレルギーの場合、5年以内に50%、10年以内に80%の患者がアレルギーを示さなくなる
などがあると考えられる。
なので、20年前にペニシリンで○○という症状が出たのよ!
という訴えがあったとしても、もしかしたら今ならペニシリンが使える可能性もあるわけだが、確認試験をせず処方するのはハードルが高い。
参考:
医薬品安全性情報 Vol.14 No.22(2016/11/02)
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/stluke/201009/516678_2.html
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