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血液、抗血小板・抗凝固薬

イグザレルト服用中の皮下出血。それ、血小板減少症という副作用かも?

イグザレルト®リバーロキサバン)服用中に青あざ(皮下出血)ができた。

患者さんからそのように聞いたら、おそらく「そりゃイグザレルト®を飲んでいるんだもん、おそらくどこかにぶつけて皮下出血が出たんだろうなあ」などと思うことだろう。

確かにバイアスピリン®などの抗血小板薬、ワーファリン®やイグザレルト®などの抗凝固薬服用中は、血液が固まりにくくなるため出血しやすくなる傾向にある。

しかし、だからと言って「薬の効果が出ているから~」という思考停止はやめた方がよいだろう。

実は、イグザレルト®の重大な副作用の項目に「血小板減少(頻度不明)」がある。

 

血小板減少症とは

〇血小板の正常値は15~35万/mm3で、通常10万/mm3以下を血小板減少症としている。
〇5万/mm3以下になるとちょっとぶつけただけでも青あざができやすく、拡大しやすくなったりする。
また、歯を磨いていると血が出たり、生理の出血が止まりにくくなったり、誘因がなくても手足に点状出血ができたりする。

薬剤誘発による血小板減少症の治療法は、疑われる薬剤をすぐに中止することだ。多くは無治療でも中止後5~8日で血小板数は回復する。
症状が重篤な場合は副腎皮質ステロイドホルモン、γグロブリンなどを投与する。
また、著しい出血の場合は血小板輸血を行う。

 

冒頭のような事例の場合、イグザレルト®の薬理作用による皮下出血なのか、それとも薬剤誘発による血小板減少症なのかの判断は難しいと思われる。

「イグザレルト®の効果が出ているから、ちょっとぶつけただけでもあざができやすいんですよ~。ぶつけないように気を付けてくださいね。」で済む場合もあるが、血小板減少症が原因だとしたら、すぐに中止をしなければならない。

手足に点状出血が見られる、あざができやすい、歯ぐきからの出血・鼻血が多い、などの症状がみられる場合は、すぐに処方した医療機関を受診してもらうよう勧めることが大切だ。

 

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