水虫の患者さんにステロイド外用剤が処方されているのを見たことがあるだろうか?
通常、ステロイド外用剤は「真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症」には禁忌である。
しかし、「真菌皮膚感染症である水虫」+「じゅくじゅくした皮膚炎」を合併している場合には、抗真菌薬の外用剤+ステロイド外用剤が使用されることがある。
各薬剤のターゲットは以下の通り。
抗真菌薬→水虫
ステロイド→皮膚炎
この「じゅくじゅくした皮膚炎」の原因の1つに、水虫に対して処方された外用クリーム剤の基剤の刺激がある。
注:皮膚への刺激は軟膏→クリーム→液剤の順に強くなる。
外用剤クリームにより皮膚炎が生じた場合は、水虫の治療だけではなく、皮膚炎の治療も必須である。
通常は皮膚炎を治してから水虫の治療を開始するが、糖尿病のように皮膚感染症をすぐに治したほうがよい場合には、同時進行で治療を行う場合もある。
なお、患者さんから
「水虫が治らなくて、別の塗り薬(ステロイド外用剤)が出たよ~」
と言われたときに、
え?間違えてるんじゃない?すぐ疑義照会だ!
と思う前に、まずは水虫以外の症状(皮膚炎)が起きていないかどうかの聞き取りを行うとよいだろう。
「水虫」+「外用剤による皮膚炎」を合併した場合の処方例
Rp1) 抗真菌薬の外用剤(刺激の少ない軟膏が無難)
Rp2) リンデロンVG軟膏(皮膚炎が軽快すれば中止)
●「水虫」に対してステロイド外用剤の単独使用は駄目。
●ただし、水虫+皮膚炎を合併した場合、皮膚炎の治療にステロイド外用剤を使用することがある。
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