蜂窩織炎
皮膚および皮下組織の急性細菌感染で、腕や足、顔面などに突然発症する。
症状には紅斑、腫脹、局所熱感、疼痛などがある。
原因菌の多くはA群β溶血性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌。
ときにインフルエンザ桿菌が原因のこともある。
また、動物(犬・猫)に噛まれることで蜂窩織炎が起こることがあるが、このときは
パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、カプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)が原因となりやすい。
治療薬
ペニシリン系(アモキシシリンなど)、セフェム系などの抗生剤。
ペニシリン系・セフェム系がダメならST合剤を使用することもある。
ペニシリン系
→溶血性レンサ球菌によく効くが、ブドウ球菌にはイマイチなことも。
セフェム系
→第一世代のセファゾリン、セファレキシン(ケフレックス®)などが使用されることが多い。セファゾリン、セファレキシンは溶血性レンサ球菌、ブドウ球菌に有効。
第三世代のセフトリアキソンはインフルエンザ桿菌もカバーする。
バクタ®を検討
→ペニシリン系・セフェム系などのβラクタム系が使えないときにはST合剤のバクタ®を使用することもあるが、溶血性レンサ球菌・ブドウ球菌に対する効果は、ペニシリン系・セフェム系よりも落ちる。
動物に噛まれた場合
→βラクタマーゼ阻害薬配合のアモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン®)を使用。
顔面の蜂窩織炎
→インフルエンザ菌が原因のことが多く、セフトリアキソンやオーグメンチン®を使用することがある。
鑑別疾患
緊急事態である壊死性筋膜炎、ガス壊疽との鑑別が大事。
壊死性筋膜炎
→溶連菌、Vibrio vulnificus(ビブリオ・バルニフィカス)などが原因菌。
ガス壊疽
→嫌気性菌、Clostridium perfrigens(ウェルシュ菌)などが原因菌。
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