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心臓

ピルシカイニド(サンリズム)の頓服:pill in the pocket療法とは。

pill in the pocket療法

抗不整脈薬のピルシカイニド(サンリズム®)は、発作時にだけ頓用する「pill-in-the-pocket療法」として使用されることがある。

ピルシカイニドの発作時頓用に関する試験には以下のものがある。

<試験1>
発作性心房細動に対し、ピルシカイニド群(150mg頓用)とプラセボ群に無作為割り付けたところ、90分以内の停止効果(=洞調律に戻る)はピルシカイニドの方が有意に高い(45% vs. 8.6%、P<0.01)(
Am J Cardiol. 1996 Sep 15;78(6):694-7.

<試験2>
発症48時間未満の持続する心房細動を対象に、ピルシカイニド100~150mg単回経口投与とジソピラミド2mg/kg(最大投与量=100mg)静注による停止効果を比較した無作為化試験を行った。

結果、静注の方が停止効果は早く出るが、2時間以内に停止したのは、ピルシカイニド群では73%(40例中29例)、ジソピラミド静注群では56%(32例中18例)であった(Pacing Clin Electrophysiol. 2000 Nov;23(11 Pt 2):1880-2.)。

 

つまり、ピルシカイニド100~150mgを頓服で服用すると
●約90分で50%の心房細動が洞調律に戻る
●ジソピラミドの静注効果とあまり変わらない
という結果だった。

なお、ピルシカイニドを頓服して2時間以上経過しても心房細動が止まらない場合は、自己判断で薬を追加して飲まないように指導しておくことが大切。必ず主治医に確認をとること。

 

 

ピルシカイニド(サンリズム®)はどんな薬?

Vaughan Williamsらの分類
→I群 抗不整脈薬の中でもクラスIcに属し、Naチャネル抑制作用がある。

Sicilian Gambitの分類
→Naチャネルを選択的に抑制。K、Caチャネル及びα、β及びムスカリン受容体などには影響を与えないものとして位置づけられる。

 

ピルシカイニドは、心筋細胞のNaチャネルを遮断することで異常伝導を抑え、抗不整脈作用を発揮する。

一方、心筋の収縮力も同時に抑えてしまうため(陰性変力)、心不全には使いにくい(うっ血性心不全のある患者には禁忌)。

また、腎排泄のため、腎機能が低下している場合の用法用量に注意。
添付文書には次の記載がある。

50≦Ccr:半減期は腎機能正常例とほぼ同じ。
20≦Ccr<50:半減期は腎機能正常例に比し約2倍に延長する。
Ccr<20:半減期は腎機能正常例に比し約5倍に延長する。

減量方法は、日本腎臓病薬物療法学会の「腎機能低下時に最も注意が必要な薬剤投与量一覧」を参考に。

ピルシカイニドを処方する際は、心機能と腎機能の確認が必須である!

 

なお、I群抗不整脈薬の中には、Naチャネル遮断作用のほかに、Kチャネル遮断作用を持つものもある(ジソピラミド、シベンゾリンなど)。

Kチャネルを遮断のメリット
心筋の興奮が冷める(再分極)のを邪魔するので、不応期が延長し、不整脈を抑える。

Kチャネルを遮断のデメリット
心電図のQT間隔が延長するため、QT延長によるTorsades de Pointes(トルサード・ド・ポワント)(TdP)という不整脈を引き起こすことがある。
抗不整脈薬なのに、不整脈を引き起こす可能性がある、ということだ。


ついでに、ジソピラミド(リスモダン®)、シベンゾリン(シベノール®)の次の特徴的な副作用も覚えておこう。

①抗コリン作用
→閉塞隅角緑内障、尿貯留傾向のある患者には禁忌。

②用量依存性に低血糖を起こすことがある
→SU剤と同様に、膵β細胞ATP感受性K+チャネルを閉鎖し、インスリンの分泌を促進するため。

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