内服と坐薬の効果発現・持続時間は？ボルタレン、ナウゼリン、カロナールで比較！

ボルタレン®錠とボルタレン®サポの比較

ボルタレン®錠
●鎮痛効果の発現が速く、投与後30分以内に効果が発現する。
　扁桃摘出術後疼痛への投与では、鎮痛効果の発現時間は、15～45 分で平均 26 分。
　鎮痛効果の持続時間は6～10時間で8時間前後のものが多かった（IFより）。

参考：当サイト管理者の経験だと、鎮痛効果の持続時間は5時間程度でした。

●解熱に関する記述は見当たらず。
　経験的に、1時間以内には解熱効果が出始め、5~6時間は効果が持続すると思われる。

＜ボルタレン®錠の食後投与と絶食時投与の比較＞
●ボルタレン錠25mg、2錠を健康人12名に食後、及び絶食時に単回投与した場合の平均血漿中濃度推移は下図のとおりである。

●絶食時投与の方がCmaxが高く、Tmaxが早いことがわかる。
●効果だけを早く期待したいときは絶食時に飲むとよいと考えられるが、実際には胃腸障害の副作用の点から避けたほうがよいだろう。なお、添付文書には「空腹時の投与は避けさせることが望ましい。」と記載がある。

ボルタレン®サポ
●効果発現時間、持続時間の明確な記述は添付文書、IFになし。
●ボルタレン®錠とボルタレン®サポの薬物動態の比較により、効果は1時間以内、持続時間は6時間はあると思われる。

＜ボルタレン®錠とボルタレン®サポの薬物動態の比較＞
ボルタレン®錠（25mgを朝食1時間後に単回経口投与した場合）と、
ボルタレン®サポ（25mgと50mgを朝食１時間後に単回直腸投与した場合）の血中濃度推移は以下の通り。

●ボルタレン®錠25mgとボルタレン®サポ25mgを比較すると、サポの方がCmaxが高く、Tmaxも早いことがわかる。

ボルタレン®サポの方がボルタレン®錠よりわずかに効果発現が早く、持続時間は少し長いと思われる。

ボルタレン®錠：（適応症によるが）1日3回服用が可能。
ボルタレン®サポ：1日1~2回投与。

ナウゼリン®錠とナウゼリン®坐剤の比較

●ナウゼリン®錠と坐剤の効果発現時間・持続時間の明確な記述は添付文書・IFになし。
●経験的に、効果発現までにナウゼリン®錠は15~30分、ナウゼリン®坐剤は30~60分くらい、持続時間はナウゼリン®錠は5時間前後、ナウゼリン®坐剤は8時間前後と思われる。
●ナウゼリン®錠のTmax（成人）は0.5時間（絶食時投与）、ナウゼリン®坐剤のTmax（成人）は2時間。

●注意！ナウゼリン®坐剤10／30と、60では適応が異なる！

ナウゼリン®坐剤10／30の適応
小児：
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状（悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛）
・周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症
・抗悪性腫瘍剤投与時

ナウゼリン®坐剤60の適応
成人：
下記疾患および薬剤投与時の消化器症状（悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、胸やけ）
・胃・十二指腸手術後
・抗悪性腫瘍剤投与時

ナウゼリン®錠はナウゼリン®坐剤よりも効果発現が少し早く、持続時間は坐剤の方が長いと思われる。

ナウゼリン®錠：1日3回服用。
ナウゼリン®坐剤：小児…1日２～3回、成人…1日2回投与。

カロナール®錠とカロナール®坐剤の比較

●カロナール®錠とカロナール®坐剤の効果発現時間・持続時間の明確な記述は添付文書・IFになし。
●直腸温が39℃以上の小児60名に対し、アセトアミノフェンを坐薬と内服薬で同じ量を投与した場合、投与1時間後にはそれぞれ1℃は低下し、投与3時間後の体温低下はそれぞれ1.7℃くらいで、内服と坐薬は同等の解熱効果がある。
J Pediatr (Rio J). 2010 May-Jun;86(3):228-32. PMID:20436978

カロナール®錠
●小児の発熱には投与3時間当たりで最大効果を発現し、約2℃の体温下降を認めた（IFより）。
●経験的に、解熱・鎮痛作用は服用30～60分後くらいに効果が出て、4~5時間前後は効果が持続すると思われる。