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発熱、痛み、解熱鎮痛薬

新薬:ジクトルテープ(ジクロフェナクナトリウムテープ)。ボルタレン何錠に相当? ボルタレンテープとの違いは?

ジクトル®テープの要点

●がん性疼痛、肩こり、腰痛などに使用可能。
●内服ボルタレン®では得られない定常状態に到達する
●適応によるが1日1回1~3枚で使用可能
●禁忌はボルタレン®錠に似ているので要注意
ジクトル®テープ225mg(=3枚)/日 ≒ ボルタレン®錠25mg、1日量4錠

 

 

2021年5月に発売されたジクトル®テープは、世界で初めて承認されたNSAIDs(成分:ジクロフェナクナトリウム)の経皮吸収型持続性がん疼痛治療剤で、全身循環血を介して鎮痛効果を発揮するテープ剤だ

最初は、「がんにおける鎮痛」の適応のみだったが、その後適応が拡大し「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」にも使用が可能となった。

特徴的なのが、ボルタレン®錠の内服では定常状態に達しないが、ジクトル®テープでは定常状態に到達し、安定した血中濃度が得られることだ。ボルタレン®錠を内服したかのような効果が出るので、痛みのある部位だけに貼付しなくとも「胸部、腹部、上腕部、背部、腰部又は大腿部」に貼付することで鎮痛効果を発揮する。
つまり、腕に貼付しても腰痛に効果が出るということだ。
テープかぶれを起こしやすい人は、貼付部位をローテーションしてもよいだろう。

内服薬を飲んだかのような効果が得られる鎮痛薬のテープにはロコア®テープもあるので、一緒に覚えておこう。

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なお、同じ成分ではボルタレン®テープがあるが、1枚当たりの含有量、適応症などがジクトル®テープと異なる。

 

ジクトル®テープ

<成分>
ジクロフェナクナトリウム

<適応>
①各種がんにおける鎮痛
②腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎

<用法用量>
各種がんにおける鎮痛
通常、成人に対し1日1回2枚を1日毎(約24時間ごと)に貼り替えて用いる。
1日3枚まで増量できる。
☞1日2~3枚

腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎における鎮痛
通常、成人に対し、1日1回1枚又は2枚を1日(約24時間)毎に貼り替える。
☞1日1~2枚
☞適応症で枚数が異なるので注意

なお、貼付部位はどの適応も「胸部、腹部、上腕部、背部、腰部、大腿部」である。

 

<禁忌>
2.1 消化性潰瘍
2.2 重篤な血液の異常
2.3 重篤な腎機能障害
2.4 重篤な肝機能障害
2.5 重篤な高血圧症
2.6 重篤な心機能不全
2.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴
2.8 アスピリン喘息又はその既往歴
2.9 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2.10 トリアムテレンを投与中
の患者は禁忌である。
ボルタレン®錠の禁忌と類似していることに注目だ。
消化性潰瘍の禁忌を見逃しやすいので、ジクトル®テープが処方されたらボルタレン®錠の禁忌を思い浮かべよう。

 

<特徴>
ボルタレン®錠/テープで有名なジクロフェナクナトリウムが、新薬ジクトル®テープとして「世界初・がん疼痛に適応のあるNSAIDs貼付剤」で発売された。

1日1回の貼付で、24時間安定した血中濃度を維持し、痛みを持続的に抑える効果が期待できる。
血中ジクロフェナク濃度は、投与7回目以降に定常状態に到達する。

ジクトル®テープ1日1回1枚を14日間反復投与したときの血中ジクロフェナク濃度推移は以下の通り(IFより)。


経口のジクロフェナク錠25mgの内服では定常状態には達しないが(半減期が約1.2時間と短いため)、ジクトル®テープは定常状態に達することがポイントだ。

一般に、定常状態のあり・なしは下の計算式で判断できる。


ボルタレン®錠25mg、8時間おきに1錠服用、半減期1.2時間とすると

8/1.2=6.6 > 4 

なので、定常状態なし と判断できる。

ジクトル®テープは、内服が困難な患者にも投与が可能であり、悪心や嘔吐、嚥下困難、消化管閉塞などがみられるがん疼痛患者や、抗がん剤の有害事象である悪心・嘔吐により嚥下できないがん疼痛患者において有用。

また、食事による投与タイミングの制限がないことで服薬アドヒアランス向上も期待できる。

 

ジクトル®テープはボルタレン®錠何錠に相当?

ジクトル®テープのIFによると、

ジクトル®テープの用量は、既承認のジクロフェナクナトリウム錠25mg(以下、既承認経口剤)の薬物動態パラメータをもとに、既承認経口剤の1日最大承認用量100mg(=4錠)の曝露量を超えないように設定されており、ジクトル®テープは1日最大225mg(=3枚)まで投与可能となっている。

また、ジクトル®テープ225mg(=3枚)を1日1回反復投与した際のAUCは、既承認経口剤の1日用量100mg(=4錠)を反復投与した際のAUCと同程度と推測された。

つまり、
 ジクトル®テープ225mg(=3枚)/日 
≒ボルタレン®錠25mg、1日量4錠
と考えられる。

 

 

ボルタレン®テープとジクトル®テープの比較

<1枚当たりの成分の含有量>

ボルタレン®テープ:15mg/30mg
ジクトル®テープ:75mg
含有量が全く異なることに注意!

<1日の使用回数>
両薬剤とも1日1回。

<適応>
ボルタレン®テープ:
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎 (テニス肘等)、筋肉痛 (筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛


ジクトル®テープ:
①各種がんにおける鎮痛
②腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎

 

おまけ

個人的感想だが、唾を飲み込むだけで涙が出るくらい喉が痛く、食事なんかとれない時にボルタレン®錠を内服したことがある。
結果、その時は内服後1時間で最大効果、持続時間は3時間しかもたなかった。

痛みがあるのに、効果が持続せず、痛みに悩まされるということは非常につらいものである。

ジクトル®テープは安定した血中濃度が得られるので、がん疼痛やその他の痛みに対してよい治療薬となりうるだろう。

参考:各薬剤の電子添文

最後までお読みいただき、ありがとうございます!

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