抗不整脈薬:授乳中に使用できるものと使用できないもの
ベラパミル(ワソラン®)
メキシレチン(メキシチール®)
メトプロロール(セロケン®)
アミオダロン(アンカロン®)
上記の薬剤の中で授乳中に服用可能と考えられる薬剤は、
ワソラン®、メキシチール®、セロケン®の3つです。
一方で、アンカロン®は母乳中に分泌され、乳児の甲状腺機能を抑制する作用があるため、投与してはいけません。
参考:
●産婦人科診療ガイドライン産科編 2017
●母乳とくすりハンドブック改定第3版(大分県「母乳と薬剤」研究会が作成)
●国立成育医療研究センター
●薬物治療コンサルテーション:妊娠と授乳 改定2版
参考までに…
多くの薬では、ほぼ一律に「服用中は授乳を避けること」と添付文書には記載されていますが、RID(relative infant dose)に関してまで言及はされていません。
RIDは、
「母乳を介する乳児の体重当たりの薬物摂取量(mg/kg/日)が、母親の体重当たりの薬物摂取量(mg/kg/日)の何%に相当するか」
を表します。
乳児の薬物摂取量
RID = ――――――――― ×100(%)
母親の薬物摂取量
RIDの数値は授乳中に投薬が可能かどうかを判断する1つの材料となります。
具体的には、
RIDが10%以上の薬剤は多剤への変更を考慮します。
例)抗てんかん薬:フェノバルビタール、エトスクシミド、プリミドン、ラモトリギン
RIDが10%以下なら比較的安全、1%以下はまず問題にはならないと、通常考えられています。
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