ホクナリン®テープ
<特徴>
他のテープ剤にはない、結晶レジボアシステムにより薬物放出がコントロールされる。
1日1回1枚貼付。
<剥がれたとき>
貼付後12時間を経てはがれた場合では再貼付する必要はないと思われるが、患者の症状に合わせ、医師の判断で再貼付される場合もある。
<お風呂に入るとき>
入浴による薬の効果への影響はあまり受けないものと考えられている。貼ったまま入浴する際は、あらかじめ絆創膏などを貼り、剥がれにくいようにしておくこと。
なお、一般には入浴前にテープは剥がし、入浴後の夜21時頃に新しいのを貼るとよいと思われる。
<切断の可否>
切断して使用可能。主薬は膏体内に均一に含まれており、含量は面積に比例している。
切断するときは、対角線に切るとよいだろう。
フランドル®テープ
<特徴>
1回1枚、24時間又は48時間ごとに貼りかえる製剤。
ただし、処方の多くは1日1回1枚(24時間ごとに貼りかえ)だろう。
<剥がれたとき>
粘着性があれば、そのまま再度貼りなおすことが可能。
<お風呂に入るとき>
貼ったまま入浴することも可能。ただし、入浴により血管拡張作用が増強し、血圧低下が起こる可能性があるため、一時的なふらつきなどに注意する必要がある。
なお、粘着性があるのでテープを剥がしてから入浴し、入浴後は汗をよく拭いてから、入浴前に剥がしたテープを貼り直してもよい。
このとき、入浴前に剥がしたテープは、清潔なペットボトルやプラスチック用品などに貼っておくと便利である。
1日1回貼りかえる場合は、入浴前に剥がし、入浴後に汗をよくふいてから新しいのを貼るという使い方がよいだろう。
<切断の可否>
切断して使用可能。
ニトロダーム®TTS
<特徴>
経皮吸収製剤には大きくわけてマトリックス型とリザーバー型がある。
ホクナリン®テープ、フランドル®テープなど多くのテープ剤はマトリックス型であるが、ニトロダーム®TTSはリザーバー型で、放出制御膜により薬物の放出が制御される。
通常1日1回1枚貼付。効果不十分の場合は2枚に増量できる。
貼付後1時間程度で定常血中濃度となり、剥がすと1時間以内に成分は血中から消失する。
<注意点>
ニトロダーム®TTは切断すると切断面から薬物が漏れ出るため切断不可。
以下の療法を行うときは、本剤を剥がしておくこと。
(1)電気的除細動(DC細動除去等)
…除細動器と接触した場合、本剤の支持体(アルミニウム箔)が破裂することがある。
(2)ジアテルミー(高周波療法)
…本剤の温度が上昇するおそれがある。
(3)MRI(核磁気共鳴画像法)
…本剤の貼付部位に火傷を引き起こすおそれがある。
<剥がれたとき>
剥がすと粘着力がなくなり、再貼付できない。剥がしたり、剥がれた時は(すぐに)新しいものに貼りかえること。
剥がした後は、成分であるニトログリセリンは速やかに消失するため、すぐに新しいものに貼りかえても血中濃度が上昇する可能性は低く、副作用も起こりにくいと考えられる。
フェントス®テープ
<特徴>
●中等度から高度の疼痛を伴う各種がん
●中等度から高度の慢性疼痛
に対して使用が可能。
1日(約24時間)毎に貼り替えて使用。
本剤は1日毎に貼り替えるため、貼る時間を決める時は入浴等の時間を考慮することが望ましい。
<剥がれたとき>
皮膚から一部剥離した場合は、再度手で押しつけて剥離部を固定。
粘着力が弱くなった場合はばんそう膏等で縁を押さえること。
完全に剥離した場合は、直ちに同用量の新たな本剤に貼り替えて、剥がれた製剤の貼り替え予定であった時間まで貼付する。
貼り替え後は血清中フェンタニル濃度が一過性に上昇する可能性があるので注意すること。
<お風呂に入るとき>
本剤を貼付中に入浴することは可能。ただし、貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加するため、汗をかくほど長く湯船につかることや、熱い温度での入浴は避けること。
ビソノ®テープ
<特徴>
世界初のテープ型のβ遮断薬。嚥下困難患者に適している。
1日1回、24時間ごとに貼りかえる。アクリル系粘着剤を採用したことで、汗をかいてもはがれにくくなっている。
成分はビソプロロール。
●本態性高血圧症(軽症〜中等症)
●頻脈性心房細動
に対して適応あり。
錠剤のメインテート®と承認されている適応症の数が異なることに注意。
<剥がれたとき>
本剤が皮膚から一部剥離した場合は、絆創膏等で剥離部を固定すること。それでも剥がれてしまった場合は、次回の貼付時間になってから新しいテープを貼ること。
<お風呂に入るとき>
入浴の影響による副作用はないとされ、貼ったまま入浴が可能と考えられる。ただし、あえて貼ったまま入る必要はないので、入浴の前後で貼りかえるとよいだろう。
イクセロンパッチ®、リバスタッチパッチ®
<特徴>
1日1回貼付型のコリンエステラーゼ阻害薬。経口薬を拒否する患者には貼付型を試す価値はある。
適応は「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」。
<使用方法>
1日1回、胸、背中、腕のいずれか貼りに、24時間ごとに貼り換える。
<剥がれた時>
その時点で新しい製剤に貼り替え、翌日はいつもの貼付予定時間に新しいものを貼る。
テープが少しはがれた場合は、絆創膏等で固定するとよい。
<お風呂に入るとき>
入浴時の体内動態のデータはなし。シャワーやお湯につかるぐらいでは剥がれないとされているが、なるべく避けたほうが無難。
ネオキシ®テープ
<特徴>
過活動膀胱(OAB)で初のテープ剤。成分はオキシブチニンで経口薬ではポラキス®がある。経口剤とは異なり、急激な血中濃度の上昇が抑制され、抗コリンによる副作用発現が軽減できることが認められている。
適応は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」。
<使用方法>
1日1回、1枚を下腹部、腰部又は大腿部のいずれかに貼付し、24時間毎に貼り替える。
<剥がれたとき>
本剤が途中ではがれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付すること。また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。
<お風呂に入るとき>
ー
以下は後日追記予定。
エストラーナ®テープ
剥がすと粘着力が落ちるため、貼ったまま入浴。
https://www.hisamitsu.co.jp/medical/pdf/iet_002.pdf
ニュープロ®パッチ
https://www.otsuka-elibrary.jp/pdf_viewer/?f=/migration/dlc/contents/C000080/material_000080.pdf
剥がすと粘着力が落ちるため、貼ったまま入浴。
ハルロピ®テープ
パーキンソン病治療薬で、経皮吸収型製剤としてはニュープロ®パッチに続く2剤目。
同じ成分の錠剤にはレキップ®がある。
錠剤よりも安定した血中濃度の維持ができ、夜間・早朝に症状がある人に向いている。
アレサガ®テープ
1日1回。経口剤と比べてTmaxが遅く、半減期が長い。
経口剤のような急激な血中濃度上昇がなく、半減期が長いので眠気を減少させつつ、長時間薬効を発揮できると考えられる。
●Twitterをやっています!【くすりカンパニー】。
「お仕事の依頼」・「当サイトに記事を載せたい方」・「当サイトの記事を使いたい方」・「当サイトをご支援していただける方」を募集中!DMにてご連絡ください。