ステロイド外用薬を長期間塗ると効果が落ちますか?
ステロイド外用薬の長期使用で、徐々に効果が落ち、最終的に効果がなくなるということはありません。
効きが悪くなったと感じるときは、塗る量が足りていないか、症状が悪化したためにステロイド外用薬のランクが足りていないか、などが考えられます。
なお、アトピー性皮膚炎や乾癬に対してステロイド外用剤の治療を開始すると、2~3週間程度たつと最初ほどの効果はないように感じることもありますが、以後はそれ以上効き目が悪くなることはない、という観察結果もあります。
参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/24/3/24_3_233/_pdf/-char/en
ステロイド外用薬と保湿剤、どちらを先に塗ったほうがよいですか?
これは処方医の考え方によります。
一般に、どちらから先に塗っても皮膚の上で混ざるため、吸収量に差はないと思われます。
ただし、ステロイド→保湿剤の順で塗ると、塗る必要がない部位にまでステロイドを塗り広げてしまうことがあります。そのため、先に保湿剤を塗り、必要な部位だけにステロイドを塗ると副作用の予防にはなります。
また、薬剤の種類が増えコンプライアンスが低下するような場合は、初めにきちんとステロイドを塗るように指示する医師もいるため、処方医の考え方にも気を配る必要があります。
1FTUとは?アトピー性皮膚炎に対し、どのくらいの量を塗ればいいですか?
皮膚炎の部分より2cmほど広めにステロイド外用薬を塗ります。
軟膏、クリームでは5mm口径のチューブから大人の指先の関節の1つ分の長さの量を1FTU(finger tip unit)といい、この量は約0.5gです。ローションなど液剤では1円玉大が1FTUに相当します。
1FTUは大人の手のひら(指先まで含む)の2枚分の面積に相当するので、塗るときの目安にしてください。
塗るときは、外用薬を患部にやさしく、ちょんちょんと乗せてから広げて塗ります。ベタベタになるくらいがちょうどよいです。このときに絶対してはいけないのは、強くすりこんで塗ることです。すりこむ、こする、ということは皮膚を引っかくことに近く、皮膚のバリア機能を悪化させてしまいますので注意が必要です。
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