ホクナリン®テープはよく処方されるので、基本を覚えておきましょう!
<特徴>
●他のテープ剤にはない、結晶レジボアシステムにより薬物放出がコントロールされる。
ホクナリン®テープでは、膏体内に「薬物」と「薬物の結晶」が共存している。
薬物が皮膚へ吸収されると、失われた薬物を結晶から補給し、膏体及び皮膚接着表面の薬物濃度を一定に保ち、持続的な薬物放出を可能にしている。
このようなシステムを結晶レジボアシステムという。
●ホクナリン®テープの最高血中濃度到達時間は貼付後8~12時間で、治療効果を期待する8~12時間前に貼付することが推奨される。
喘息によるmorning dipを抑えるためには、前日の夜9時ごろを目安に貼付するとよい。
下のグラフはホクナリン®テープ2mgを単回投与したときのもの。
●ホクナリン®テープは、貼付12時間後に約74%の薬物が皮膚へ移行していることが報告されている(喘息患者)。
皮膚吸収(血清中濃度)に関して、喘息患者と健常成人はほぼ同等と推測されている。
健常成人に24時間貼付した時の薬物の皮膚移行率が82~90%であることより、貼付12時間後の皮膚移行は24時間貼付時の約85%に相当する。
このことから、就寝前に貼付した場合、起床後にはがれても有効性に大きな影響はないと考えられる。
●また、ホクナリン®テープを再貼付した場合でも、ホクナリン®経口剤より最高血中濃度が高くはないため、再貼付をしても副作用は発現しにくいと考えられる。
【再貼付のシミュレーション】
ホクナリン®テープ2mg再貼付後の血清中濃度のシミュレーションよると、再貼付後の血清中濃度は最高でも再貼付しないときの約1.3倍程度であり、経口投与時の最高血中濃度(ホクナリン®錠1mg単回投与のCmax:3.12ng/ml)と比較し2/3以下。
よって、再貼付をしても、過量投与による副作用は発現しにくいと考えられる。
<剥がれたとき>
貼付後12時間を経てはがれた場合では再貼付する必要はないと思われるが、患者の症状に合わせ、医師の判断で再貼付される場合もある。
<お風呂に入るとき>
入浴による薬の効果への影響はあまり受けないものと考えられている。貼ったまま入浴する際は、あらかじめ絆創膏などを貼り、剥がれにくいようにしておくこと。
なお、一般には入浴前にテープは剥がし、入浴後の夜21時頃に新しいのを貼るとよいと思われる。
<切断の可否>
切断して使用可能。主薬は膏体内に均一に含まれており、含量は面積に比例している。
切断するときは、対角線に切るとよいだろう。
参考:
ホクナリンテープ添付文書
ホクナリンテープFAQ
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