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血圧の薬、高血圧

高血圧の治療に使用されるα遮断薬の基本情報、各薬剤の特徴。カルデナリンはいつ飲むのが向いている?

α遮断薬の基本情報

●交感神経が興奮すると、血管にあるα1受容体が刺激を受け、血管が収縮し血圧が上昇します。この刺激をブロックし、血管の収縮を抑えて拡張し、血圧を下げるのがα遮断薬です。

●通常、高血圧症の治療の第一選択薬ではなく、他の薬で効果不十分のときにα遮断薬の追加が検討されることがあります。

α1受容体は、前立腺や尿道にも分布しています。前立腺や尿道にあるα1受容体が刺激されると、尿道が狭くなり尿が出にくいなどの排尿障害が起こることがあります。α遮断薬はその作用を阻害し、排尿障害を改善します。

●また、高血圧症の治療に使用されるβ遮断薬と異なり、コレステロールや血糖に悪影響を与えにくいのが特徴です。

●このように、α遮断薬は排尿障害を伴う高血圧症の治療や、コレステロール・血糖値も高い人の高血圧症の治療に推奨される薬剤ともいえます。

●お薬を初めて飲むときや、お薬の量を増量したときに、めまい、立ちくらみ、動悸などがあらわれることがあります。特に、高齢者には少量からスタートし、様子をみること必要です。

●なお、すべてのα遮断薬が高血圧症の治療に使用されるわけではありません
血管よりも、前立腺や尿道のα1受容体を選択的に遮断する薬剤――タムスロシン(薬剤名ハルナール)、ナフトピジル(薬剤名フリバス)、シロドシン(薬剤名ユリーフ)――は、「前立腺肥大症に伴う排尿障害」だけに適応があり、高血圧症には適応はありません(2018/9)。

高血圧症治療に使用されるα遮断薬の種類

α遮断薬の中で一番多く使用されているもの

ドキサゾシン(薬剤名カルデナリン)
●高血圧症の治療に使用されるα遮断薬の中でも、一番多く使用されています。
●作用の持続時間が長く、通常1日1回の服用です。
●唾液で溶けて、水なしでも飲めるOD錠があり、錠剤が飲みこみにくい人に向いています。

●高血圧症の中でも、交感神経系の関与が大きい早朝の血圧上昇(早朝高血圧)を抑制する効果があり1)、早朝高血圧に対する治療の選択肢の1つとなります。早朝高血圧に使用するときは、寝る前の服用が推奨されています。

●日本では承認されていませんが、欧米では「前立腺肥大症にともなう排尿障害」にも承認されています1)(2018/9)。そのため、日本においても前立腺肥大症もある高血圧症の人には、よい適応となりえます

●また、血清総コレステロールの減少が認められたという報告もあります2)
●主に胆汁排泄のため、腎機能障害を伴う高血圧症に対しても、薬の減量をすることなく通常の量が使用可能です1)

ドキサゾシンンより使用頻度は落ちるもの

ウラピジル(薬剤名エブランチル)
●血管と泌尿器のα1受容体遮断作用により、高血圧症だけでなく、前立腺肥大症に伴う排尿障害、神経因性膀胱に伴う排尿困難の治療に使用されます。

通常1日2回の服用です。カプセルの中の顆粒は、徐々にお薬が溶けて吸収されるように設計されているため、カプセルの中の顆粒を噛まずに服用します。

●高血圧症に使用するときは、血圧が高く排尿障害もあるときに向いている薬剤です。

●どちらかというと、高血圧症よりも排尿障害の治療に使用されるケースの方が多いです。

●前立腺は男性の尿道の周りを取り囲んでいます。前立腺のα1受容体が刺激を受けると前立腺が尿道を圧迫して、尿道が狭くなり排尿障害が起きます。
ウラピジル(薬剤名エブランチル)は前立腺のα1受容体を阻害し、尿道を広げることで効果を発揮します。

●神経因性膀胱とは、膀胱に尿をためたり、尿を出すという信号がうまく伝える事が出来ない状態です。症状には、尿が近くなり漏れやすくなったり、反対に尿を出しにくい、などがあります。
ウラピジル(薬剤名エブランチル)は正常血圧にはほとんど影響することなく、脳、脊髄または末梢障害によって起こる排出障害に効果が認めらました。そして、α1遮断薬としては世界で初めて「神経因性膀胱に伴う排尿困難」の効能が追加されました3)

●LDLコレステロールを減少させるという報告もあります3)

●腎機能が低下していても、減量をする必要は通常ありません。

プラゾシン(薬剤名ミニプレス)
●血管のα1受容体を遮断することで血圧を下げる初めての薬剤として発売されました4)

●血管と前立腺のα1受容体遮断作用により、高血圧症だけでなく、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療にも使用されます。

通常1日2~3回の服用です。

●高血圧症に使用するときは、前立腺肥大症もあるときに向いている薬剤です。

●コレステロールの代謝に悪い影響を与えないとされています4)

●起立性低血圧を生じやすいので注意が必要です5)

●腎機能が低下していても、減量をする必要は通常ありません。

その他のα遮断薬と適応症
テラゾシン(薬剤名ハイトラシン、バソメット)
〇高血圧症、前立腺肥大症に伴う排尿障害

ブナゾシン(薬剤名デタントール)
〇高血圧症

参考:
1)カルデナリンIF
2)カルデナリン添付文書
3)エブランチルIF
4)ミニプレスIF
5)透析患者への投薬ガイドブック 改訂2版

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