消化性潰瘍、妊婦に禁忌のテープは？モーラス、ロキソニン、ロコア、ジクトルの禁忌を覚えよう。

外用テープの禁忌比較

●NSAIDsだからアスピリン喘息には禁忌
●妊婦に禁忌：モーラス®、ロコア®、ジクトル®
●ロキソニン®テープは妊婦に禁忌ではない
●ロコア®とジクトル®は内服NSAIDsと似た禁忌
●消化性潰瘍に禁忌：ロコア®、ジクトル®

痛み止めの外用テープといえども、禁忌がある。
貼り薬だから特に禁忌はない、と何も考えず処方・調剤・交付、とならないようにしましょう。

痛み止めテープと言えば、モーラス®、ロキソニン®テープの処方が圧倒的に多いだろう。ロコア®、ジクトル®テープの処方頻度は前者より劣るとしても、後者ならではの特徴もある。

ロコア®、ジクトル®テープの最大の特徴は、内服薬を飲んだかの様な血中濃度を得られることだ。詳しくは、下記をご覧いただきたい。

新薬：ジクトルテープ（ジクロフェナクナトリウムテープ）。ボルタレン何錠に相当？　ボルタレンテープとの違いは？ 2021年5月に発売されたジクトル®テープは、世界で初めて承認されたNSAIDs（成分：ジクロフェナクナトリウム）の経皮吸収...

さて、それでは各薬剤の禁忌を見てみよう。

モーラス®テープの禁忌
1. 本剤又は本剤の成分に対して過敏症の既往歴
2. アスピリン喘息又はその既往歴
3. チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート並びにオキシベンゾン及びオクトクリレンを含有する製品（サンスクリーン、香水等）に対して過敏症の既往歴
4. 光線過敏症の既往歴
5. 妊娠後期の女性

ロキソロキソニン®テープの禁忌
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴
2. アスピリン喘息又はその既往歴

ロコア®テープの禁忌
1. 消化性潰瘍
2. 重篤な血液の異常
3. 重篤な肝機能障害
4. 重篤な腎機能障害
5. 重篤な心機能不全
6. 重篤な高血圧症
7. 本剤の成分又はフルルビプロフェンに対し過敏症の既往歴
8. アスピリン喘息又はその既往歴
9. エノキサシン水和物、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、プルリフロキサシンを投与中
10. 妊娠後期の女性

ジクトル®テープの禁忌
1. 消化性潰瘍
2. 重篤な血液の異常
3. 重篤な腎機能障害
4. 重篤な肝機能障害
5. 重篤な高血圧症
6. 重篤な心機能不全
7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴
8. アスピリン喘息又はその既往歴
9. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
10. トリアムテレンを投与中

比較してみると…

各薬剤に共通：アスピリン喘息、その既往歴には禁忌
ロキソニン®テープ以外：妊娠後期または妊娠中（その可能性）は禁忌
モーラス®テープ：光線過敏症、フェノフィブラート過敏症は禁忌
ロコア®、ジクトル®テープ：内服NSAIDsのような多くの禁忌

というのがすぐわかると思う。

こうしてみると、ロキソニン®テープの使いやすさが際立つ。

見落としやすいのが、ロコア®とジクトル®の禁忌だ。内服NSAIDsの禁忌と似ているので、外用テープと侮ることなく、しっかりとした確認が必須だ。特に消化性潰瘍については注意しよう。

参考：各薬剤の電子添文