胃食道逆流症(GERD)とは
胃食道逆流症はGastro Esophageal Reflux Diseaseの頭文字をとりGERD(ガード)とも呼ばれる。胃から出る胃酸が食道に逆流することで症状が引き起こされる。
胃食道逆流症は食道炎(食道粘膜のただれ)のあり、なしにより次のように分けられる。
食道炎 あり:
逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)
→自覚症状あり/なし とがある。
食道炎 なし & 自覚症状 あり:
非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease:NERD(ナード))
自覚症状 | + | + | – |
食道炎 | – | + | + |
NERD | 症状のある 逆食 |
症状のない 逆食 |
というわけで逆流性食道炎は胃食道逆流症(GERD)の一部ということになる。
GERDの自覚症状には何がある?
主な症状は以下のもの。
胃の中の酸が食道へ逆流することによる
●胸やけ
●呑酸(どんさん:酸っぱい液体が上がってくる感じ)
●胸が詰まるような痛み
●のどの違和感
●慢性的に咳が続く
胃酸の逆流は食後2~3時間までに起こることが多いため、食後にこれらの症状を感じたときは胃酸の逆流が起きている可能性を考える必要がある。
慢性的な咳の原因に胃酸の逆流が関係していることがある!
この場合は気管支拡張薬は無効で、PPIやボノプラザン(タケキャブ®)などの胃酸分泌抑制剤が有効である。
原因と悪化要因は?
通常、下部食道括約筋(LES)が収縮することで、食道に圧力がかかり、胃から食道への胃酸の逆流が防がれてる。しかし、このLESの機能やLES圧が低下すると、胃酸が逆流しやすくなってしまう。
LES圧を低下させるものにはタバコ・チョコレート・炭酸飲料、体の右側を下にして寝る、などがある。
胃酸の曝露時間を延長させるのはタバコ・アルコール・チョコレート・脂肪食・体の右側を下にして寝るなどである。
これらの中で、実際に症状を悪化させるのは
タバコ
アルコール
体の右側を下にして寝る
である。
なお、LES圧を上昇させるには体の左側を下にして寝る、ことが知られている。
よって、普段の生活の中で気を付けることとしては
●タバコ、アルコールの摂取を控える
●寝るときは体の左側を下にして寝る
となる。
薬物治療を行う場合には、胃酸分泌抑制剤のPPI(プロトンポンプ阻害薬)やボノプラザン(タケキャブ®)などの使用を検討する。
PPIには以下のものがある。
オメプラゾール(オメプラール®)
ランソプラゾール(タケプロン®)
ラベプラゾール(パリエット®)
エソメプラゾール(ネキシウム®)
参考:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015
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