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胃、ピロリ菌、逆流性食道炎

パリエットは1日2回、食前が有効!PPIに抵抗する逆流性食道炎の治療とは?PPI頓服について。

PPIは食前と食後のどちらで服用するのがよいか?

PPIは活性化されたプロトンポンプは阻害できますが、活性化していないプロトンポンプを阻害することはできません。食事刺激によるプロトンポンプ活性化のタイミングを狙い、PPIは食事の30~60分前に服用すると効果的です。

 

そうすると、PPIは朝・昼・夕食前、寝る前のうち、いつ服用するのがいいか?

1日の中でも特に日中に効かせたいときは朝食前、特に夜間に効かせたいときは、夕食前や就寝前が適していると考えられます。

 

PPIを朝に服用しても、夜間の胃酸分泌を十分に抑えることができないケースがあるのはなぜ?

服用してから時間が経ちPPIの血中濃度が低下すると(内服後10~12時間で消失)、最初に阻害したプロトンポンプ以外の、次々と出てくるプロトンポンプ(1日に約20%ほど新生される)を阻害することができないためです。
参考:Gastroenterological Endoscopy Vol. 57( 8), Aug. 2015

また、PPIの種類とCYP2C19の酵素活性が関わっている可能性もあります。

PPIのうち、オメプラゾール(オメプラール®)とランソプラゾール(タケプロン®)は代謝過程においてCYP2C19の関与が大きいです。

そのため、
CYP2C19の酵素活性の高い人(extensive metabolizer:EM)がオメプラゾールやランソプラゾールを服用すると効果が弱く出ます。
逆に、
酵素活性の弱い人(poor metabolizer:PM)が同薬剤を服用すると効果は強く出ます。

日本人ではCYP2C19の酵素活性の高い人が30%、中間が55%、低い人が15% 程度です(参考:日本内科学会雑誌 第101巻 第2号・平成24年2月10日)。

なお、ラベプラゾール(パリエット®)とエソメプラゾール(ネキシウム®)はCYP2C19の影響を受けにくい薬剤です。

 

夜間の胃酸分泌をもっと抑えるにはどうしたらいいですか?

ラベプラゾールは1日1回20mgよりも、1回10mgを1日2回で服用する方が1日を通して強い胃酸分泌抑制作用を発揮します。
日中だけでなく、夜間の胃酸分泌もしっかりと抑制させるには、PPIを1日2回(朝・夕食前)服用し、血中濃度を 2 峰性にするのが好ましいです。

参考:
Aliment Pharmacol Ther. 2004 Jan 1;19(1):113-22.
Am J Gastroenterol. 2012 Apr;107(4):522-30. doi: 10.1038/ajg.2012.19. Epub 2012 Mar 20.

ただし、CYP2C19のPM(酵素活性の弱い人)には1日2回の内服は適しません。

もしくは、PPI(1日1回服用)に加え、H2ブロッカーを寝る前に服用するのも効果的です。
しかし、PPIとH2ブロッカーを連用した場合、H2ブロッカーの夜間の強力な胃酸分泌抑制作用は2週間程度で減弱することが知られています(J Gastroenterol. 2003;38(9):830-5.)。

注意①
2020年8月時点、PPIの1日2回の内服の適応はラベプラゾールのみです(ピロリ菌除菌の用法を除く)。

逆流性食道炎の治療
ラベプラゾールを1回10mg or 20mgを1日1回
もしくは
ラベプラゾールを1回10mg、1日2回 or 1回20mg、1日2回

逆流性食道炎の維持療法
ラベプラゾールを1回10mg、1日1回 or 1回10mg、1日2回

 

注意②
20179月、H2ブロッカーとPPIの併用が原則不可になってしまいました!http://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/index.files/atukai_2_290925.pdf

 PPIH2ブロッカーは同効の薬剤であり、胃酸分泌抑制効果は各薬剤の単独使用で期待できること、寝る前のH2ブロッカーを連用すると効果が減弱する報告があること、PPI2回服用が推奨されること、速効性のボノプラザン(タケキャブ®)が登場したことがPPIH2ブロッカーの併用が原則不可になった理由のようです。

 

PPIに抵抗する逆流性食道炎の治療はどうすればいいか?

PPIを食事の30~60分前に服用する。
PPIの投与量を増やす。
PPIの服用を1日1回から2回にする(2020年8月時点、1日2回の適応はラベプラゾールのみ)。
PPIを変更する。
例)CYP2C19のEMの人は、オメプラゾール、ランソプラゾール → ラベプラゾールとエソメプラゾール へと変更する。
PPIに眠前のH2ブロッカーを追加する。
(注意!PPIとH2ブロッカーの併用は原則不可。)
PPIからタケキャブ®に変更する。

などの対応方法が考えられます。

 

PPIやタケキャブは頓服可能?

PPIやタケキャブ®の頓服の処方を見たことはありませんか?
適応外ですが、胸やけなどの症状が出現した場合に服薬し、症状が消失すれば服薬を終了する方法(オンデマンド療法)が医師の判断によって指示されることがあります。

参考:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2015

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