今回紹介するのは持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)。
PPPDは新たなめまい疾患の1つで、2018年にWHOの国際疾病分類に組み込まれたが、日本では十分認知されていない。
内耳疾患(メニエール病など)や精神疾患(うつ病など)とは独立した疾患である。
PPPDの特徴
●何らかの急性めまいに続発する、慢性持続性のめまい
●立っている状態で症状が出やすい
●体を動かしたり、視覚刺激(動くものや複雑な模様を見るなど)で悪化しやすい
●朝は比較的調子が良く、夕方にかけてふらつきが増悪する傾向がある
PPPD問診票として以下のものがある。
12個の質問にそれぞれ点数をつけるが、合計27点以上でPPPDが疑われる
(0:全く大丈夫 2:時々影響する 4:影響する 6:常に影響する)
Q1 急に立ち上がる、急に振り向くなどの急な動作
Q2 スーパーやホームセンターなどの陳列棚を見る
Q3 普段通りに、自分のペースで歩く
Q4 TVや映画などで、激しい動きのある画像を見る
Q5 車、バス、電車などの乗り物に乗る
Q6 丸椅子など背もたれやひじ掛けのない椅子に座った状態を保つ
Q7 何も支えなく、立った状態を保つ
Q8 パソコンやスマホのスクロール画面を見る
Q9 家事など、軽い運動や身体を動かす運動をする
Q10 本や新聞などの細かい文字を見る
Q11 比較的早い速度で、大股で歩く
Q12 エレベーターやエスカレーターに乗る
薬物治療としては、SSRIやSNRIでめまい症状が軽減し、うつや不安症状を合併していない状態でも有効性があるとされる。
なお、めまいが軽減するのには2~3カ月はかかるため、継続が大切であることを患者に説明する必要がある。SSRIやSNRIが有効なメカニズムはまだ不明である。
早とちりに注意!
長引くめまいの原因の1つには、抑うつ状態や不安感を伴う心因性のめまいもあり、こちらにも抗うつ薬のSSRIやSNRIなどが使用されることがある。
SSRIやSNRIの使用だから心因性!と決めつけるのではなく、PPPDも念頭にいれて薬剤師は服薬指導をしていきたい。
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