アルツハイマー型認知症の高齢者は、てんかんを併発することがある。
その際、治療薬の選択は注意する必要があるかもしれない。
てんかん診療ガイドライン2018によると
合併症・併存症のない高齢者の部分発作
→カルバマゼピン(テグレトール®)、ラモトリギン(ラミクタール®)、レベチラセタム(イーケプラ®)、ガバペンチン(ガバペン®)が推奨
合併症・併存症のある高齢者の部分発作
→ラモトリギン(ラミクタール®)、レベチラセタム(イーケプラ®)、ガバペンチン(ガバペン®)が推奨
高齢者の全般発作
→ラモトリギン(ラミクタール®)、バルプロ酸(デパケン®)、レベチラセタム(イーケプラ®)、トピラマート(トピナ®)が推奨
となっている。
ということで、
部分発作+アルツハイマー型認知症を合併している場合は、抗てんかん薬は「ラモトリギン(ラミクタール®)、レベチラセタム(イーケプラ®)、ガバペンチン(ガバペン®)」のどれかを選ぶとよい。
しかし、治療薬としてカルバマゼピンを先に服用し、後からアルツハイマー型認知症治療薬であるコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)を追加する場合は注意。
ChEIにはドネペジル(アリセプト®)、ガランタミン(レミニール®)、リバスチグミン(イクセロン®パッチ、リバスタッチ®パッチ)がある。
このうち、ドネペジルの併用注意薬剤にカルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタールなどの抗てんかん薬がある。これらによりドネペジルの効果が弱くなる可能性があるためだ。
一方、ガランタミン・リバスチグミンはこれらの薬剤と併用注意にはなっていない。
よって、カルバマゼピンを変更できない(しない)場合は、ドネペジルではなく、ガランタミン or リバスチグミンを選択するとよいだろう。
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