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脳神経・睡眠・精神系

片頭痛治療薬:新薬のエムガルティ/アイモビーグ/アジョビ皮下注。特徴・作用機序は?

片頭痛とは

片頭痛は腰痛に次いで日常生活に支障をきたす疾患である。

典型的には、片側性で拍動性の中等度から重度の頭痛発作が繰り返し生じ、4~72時間にわたり発作が持続する。
頭痛に加えて悪心、光過敏、音過敏等を伴うことが多く、日常動作で頭痛が増悪することが特徴である。

日本の片頭痛有病率は8.4%(男:女=1:約3.6)。

男女とも20~50歳代の勤労世代に多くみられる(特に20~40代の女性に多い)ことから、患者の日常生活だけでなく社会生活にも影響を及ぼす疾患である。

なお、高校生の有病率は9.8%、中学生の有病率は4.8%である。

片頭痛の薬物治療には急性期治療(対症療法)と予防療法がある。
予防療法の目的は、発作頻度の軽減、急性期治療薬の過剰な使用の軽減、生活機能の向上などがある。

今回紹介する3つの「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤」は新規作用機序を有し、「片頭痛発作の発症抑制」に効果がある。

 

ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤

ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤は次の3つが発売されている(2021年8月時点)。

●エムガルティ®皮下注120mg(ガルカネズマブ):2021年4月発売
●アイモビーグ®皮下注70mg(エレヌマブ):2021年8月に発売
●アジョビ®皮下注225mg(フレマネズマブ):2021年8月に発売

以下、それぞれの共通点と異なる点を紹介する。

共通の作用機序:
片頭痛患者では片頭痛発作の誘発に関連するとされるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の血中濃度が上昇している。

ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤は「CGRP活性の阻害作用」により効果を発揮すると考えられている。
☞既存薬とは異なる作用機序。

エムガルティ®、アジョビ®:
CGRPに選択的に結合することで、CGRP受容体への結合を阻害する。

アイモビーグ®:
競合により、CGRPがCGRP受容体に結合するのを防ぎ、CGRP受容体シグナルの伝達を阻害する。

共通の適応:
片頭痛発作の発症抑制
☞トリプタン系の適応は「片頭痛」

 

共通の使用上の注意:
注射薬。2~8℃で保存。
投与約30分前に冷蔵庫から取り出し、直射日光を避け、室温に戻してから使用。

共通の対象患者:
十分な診察を実施し、前兆のある又は前兆のない片頭痛の発作が月に複数回以上発現している、又は慢性片頭痛であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。

最新のガイドライン等を参考に、非薬物療法、片頭痛発作の急性期治療等を適切に行っても日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。
☞片頭痛っぽいから薬だすね~ と簡単に処方できるわけではない!

異なる用法用量:
エムガルティ®:

通常、初回に240mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120mgを皮下投与する。
☞初回と2回目以降で投与量が異なる。

 

アイモビーグ®:
通常、70mgを4週間に1回皮下投与。
☞適応はないが、薬物乱用頭痛を伴う難治性慢性片頭痛における片頭痛の頻度および鎮痛薬の摂取量の有意な減少が認められた報告がある(Neurological Sciences (2021) )

アジョビ®:
4週間に1回225mgを皮下投与、又は12週間に1回675mgを皮下投与する。
30日の半減期を有することから、アドヒアランス向上を目指し、2種類の投与方法(4週間に1回、又は12週間に1回の皮下投与)がある。

 

治療効果は?

エムガルティ®皮下注の治療効果を紹介すると、
プラセボ群と比べ、1ヵ月あたりの片頭痛日数日を3日程度減らす」ことが示されている。
片頭痛で悩む人にとって、3日も減るのはとても嬉しいことですね。

以下は、エムガルティ®皮下注の試験結果より。

●国内第II相試験(CGAN試験)
ベースラインの片頭痛日数が月4日以上の日本人反復性片頭痛患者

●国際共同第III相試験(CGAW試験)
ベースラインの片頭痛日数が月4日以上かつ他剤(バルプロ酸、プロプラノロール等)で効果不十分の反復性片頭痛患者及び慢性片頭痛患者


参考資料:
慢性頭痛の診療ガイドライン2013
各種薬剤の添付文書、IF

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