しょっぱいのよ、モビコール®は…
2018年11月から発売されているモビコール®は、粉を溶かして服用するのだが味がよろしくない。電解質として塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムが配合されているため「しょっぱい」のである。
モビコール®は2歳以上の小児から服用可能だが、小児は味に敏感である。ちょっとしたことで服用を拒否する。
水で溶かして飲みにくければ、製薬会社が作成している患者さん向けの「モビコール®配合内用剤を服用される方へ」という資材に記載されている飲料水を試してみるとよいだろう。
なおこの資材はモビコール®の薬の箱の中には入っていない…
子供ならオレンジジュース、リンゴジュース、大人なら味噌汁なんかがよいかもしれない。
モビコール®ってどんな薬?
<特徴>
2018年11月から発売されているモビコールは、国内初のポリエチレングリコール製剤である。
ポリエチレングリコールとしてマクロゴール4000、電解質として塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムが配合されている。
マクロゴール4000は経口摂取してもほとんど吸収されず、腸管内で高い浸透圧効果を有し、腸管内に水分を引き寄せ、用量依存的に便の排出を促進する。
特徴的なのは、モビコールを溶かした水は、体の中で吸収されずにそのまま腸に届くことだ。そのため、硬い便に水分をふくませることができ、水分をふくんだ便は、やわらかく大きくなり、大腸の動きを活発にして排便を促す。
なお、便中の浸透圧を適正なレベルに保持するため、モビコール®には塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムが添加されている。
少量スタートから徐々に増やしていくが、経験的に少量でもかなり効きがよい印象を受ける。
ポリエチレングリコール製剤は、海外のガイドライン(*)において慢性便秘症の治療薬として推奨されている。
*英国のNICE ガイドライン(2010年)
北米小児栄養消化器肝臓学会及び欧州小児栄養消化器肝臓学会のガイドライン(2014年)
世界消化器病学会(WGO)のガイドライン(2010年)
米国消化器病学会(AGA)のガイドライン(2013年)
LDとHD製剤があり LD2包=HD1包 に相当する。
*HDの製造販売承認は2021年1月に取得。まだ発売はされていない様子(2021年6月)
モビコール®LDは1包あたり60mlの水に溶かすとなっている。
溶解水が規定量より少ない場合や多い場合の有効性・安全性を検討したデータはないそうだ。
ちなみに、溶解水が多く、マグコロールに保持できない水分は小腸で吸収されるため、便秘に対する有効性・安全性には影響しないと推察される。
参考:モビコールの製品Q&A
<用法用量>
詳細は添付文書を。
以下、添付文書の表より。
<モビコール®の欠点>
●溶かさないといけない
●味がしょっぱい
●粉薬のため大量に処方されると保管場所に困る
●同じ浸透圧性下剤の酸化マグネシウムよりも薬価が高い
など。
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