下剤の長期連用で耐性は生じるのか?
ツムラ大建中湯は、1日量15.0g(6包)中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス1.25gと日局コウイ10.0gを含有する製剤である。
注:ツムラの漢方製剤は1日量3包のものが多いが、大建中湯は通常、1日量6包である。
日局カンキョウ 5.0g
日局ニンジン 3.0g
日局サンショウ 2.0g
適応症は
「腹が冷えて痛み、腹部膨満感のあるもの」
だが、実際には
便秘症、術後の腸管麻痺性イレウスなどに使用されている。
これは、大建中湯が「腸管の蠕動運動亢進作用」を有するからである。
作用機序として次のことが知られている(メーカー回答)
腸管の
①副交感神経を優位にする
②アセチルコリンの分泌を増加
③血流量増加
なお、大建中湯は便秘症に対して長期連用しても耐性は生じない。
一方、
プルゼニド®は大腸刺激作用を有する下剤であり
連用による耐性の増大等のため効果が減弱し、薬剤に頼りがちになることがあるので長期連用を避けること(添付文書)
となっており、長期連用では耐性を生じるため、頓用が原則である。
ちなみに、プルゼニド®は服用後、通常8〜10時間で効果が出てくる。
プルゼニド®はセンノシド A・B(互いに立体異性体) を主成分とし、生薬のダイオウにはセンノシドAが含まれている。
ダイオウを便秘で使用する場合は、プルゼニド®と同じく長期連用では耐性が生じるため注意が必要。
また、見落としがち(?)だが、プルゼニド®にダイオウを含む漢方(例:大黄甘草湯)を併用する場合はセンノシドの量が増えるのだから、本当に併用が必要なのかを考える必要がある。
大建中湯
→長期連用でも排便効果に耐性はない
プルゼニド、大黄を含む漢方
→長期連用で排便効果に耐性が生じる
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