通常1日3回、寛解維持期は1日1回
潰瘍性大腸炎の治療薬であるメサラジン製剤にはいくつかあるが、ペンタサ®は時間依存性徐放剤、アサコール®はpH依存性徐放剤のように、それぞれ異なる特徴がある。
通常、ペンタサ®もアサコール®も1日3回の服用であるが、1日3回の服用はコンプライアンス不良の原因でもある。
実は、潰瘍性大腸炎の寛解維持期においては、ペンタサ®もアサコール®もそれぞれ1日1回の服用でも有効性・安全性に差がなかったことが報告されており(第3相試験)、各薬剤の添付文書の用法用量の項目にも、必要に応じて1日1回服用とすることができる、と記載がある。
ということで、「寛解維持期」という条件は付くが、コンプライアンス向上を目的とし1日3回から1日1回とするのも1つの手である。
ただし、1日量は変わらないので、1回量は増えることに注意。
さらなる服薬コンプライアンスの向上へ
ペンタサ®には錠剤と、服薬が容易な剤形な顆粒94%とがあり、顆粒製剤は1包で250mg、500mg、1000mg、2000mgを含有するものが用意されている。
下記の写真はペンタサ®錠500mgとペンタサ®顆粒94% 2000mgのもの。
ペンタサ錠500mgを1回4錠で飲むのと、ペンタサ®顆粒94% 2000mg1包を飲むのではどちらが負担が少ないか?
写真では重量感が伝わらないが、2000mg1包を手に取ってみるととても軽く、これなら錠剤よりも簡単に飲める!という気持ちになれる製剤である。
私なら、錠剤4錠が処方されるなら顆粒1包を処方してもらいたい。
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、大腸粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患で、難病に指定されている。
特徴的な症状は下痢・腹痛。血便・発熱・食欲不振・体重減少・貧血などが出ることもある。
近年、新しい治療薬がどんどん出てきているが、まずは最低限メサラジン製剤のことを覚えないといけない。
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