2021年2月、イスツリサ®錠(成分オシロドロスタットリン酸塩)が「クッシング症候群」を効能・効果とする新薬として承認された。
クッシング症候群とは?
コルチゾールが過剰分泌される病気で、ACTH依存性、非依存性とがある。
①ACTH依存性
ⅰ)脳下垂体からのACTHの過剰分泌(クッシング病)
ⅱ)下垂体以外の腫瘍からのACTHの過剰分泌(異所性ACTH症候群)
②ACTH非依存性
副腎腺腫、副腎がんなどによるコルチゾール過剰分泌
コルチゾールの作用が過剰になることで、以下のような特徴的な身体症状が出る。
●満月様顔貌
●野牛肩
●中心性肥満
●皮膚菲薄化
●腹部赤色皮膚線条
●近位筋の筋力低下など
イスツリサ®の基本情報
<作用機序>
成分であるオシロドロスタットリン酸塩は副腎皮質ホルモン合成阻害薬である。
本剤は、コルチゾール生合成の最終段階を触媒する11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害し、副腎でのコルチゾール生合成を抑制する。
その他のクッシング症候群(クッシング病)治療薬
<適応>
●副腎癌
●手術適応とならないクッシング症候群
<適応>
●特発性アルドステロン症
●手術適応とならない原発性アルドステロン症及びクッシング症候群
上記疾患におけるアルドステロン及びコルチゾール分泌過剰状態の改善並びにそれに伴う諸症状の改善
<作用機序>
アルドステロン及びコルチゾールの生合成過程における酵素の1つである3β-hydroxysteroid脱水素酵素を特異的かつ競合的に阻害することにより、アルドステロン分泌過剰及びコルチゾール分泌過剰を抑制するものと考えられる。
<適応>
●下垂体ACTH分泌予備能の測定
●クッシング症候群
<作用機序>
コルチゾール(ヒドロコルチゾン)、コルチコステロン、アルドステロンの生合成の過程において、11β-水酸化酵素を特異的かつ可逆的に阻害する。
<適応>
●クッシング病(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
●下記疾患における成長ホルモン、IGF-I(ソマトメジン-C)分泌過剰状態及び諸症状の改善
先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置で効果が不十分又は施行が困難な場合)
<作用機序>
ソマトスタチン受容体に結合し、成長ホルモン(GH)・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌を抑制する。
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