切断してはいけない貼り薬の一例は以下の通り。
ニコチネル®TTS
ニトロダーム®TTS
ノルスパン®テープ
フェントス®テープ
デュロテップ®MTパッチ、ワンデュロ®パッチ
イクセロン®パッチ、リバスタッチ®パッチ
エストラーナ®テープ
メノエイドコンビ®パッチ
ニュープロ®パッチ
ロナセン®テープ
MRI検査前に剥がす貼り薬
以下の薬剤は支持体にアルミニウムを含んでいる。
火傷をさけるために、MRI検査前にはテープを剥がさないといけない。
ニコチネル®TTS
ニトロダーム®TTS
ノルスパン®テープ
ニュープロ®パッチ
リザーバー型
ニコチネル®TTS
禁煙治療薬。
1日1回1枚、24時間貼付
通常、最初の4週間は30から貼付し、次の2週間は20を貼付し、最後の2週間は10を貼付する。本剤は10週間を超えて継続投与しないこと。
ニトロダーム®TTS
狭心症治療薬。1日1回貼付。
効果不十分の場合は2枚に増量可能(実際にそういう処方をみることは稀かも?)。
切断不可の旨の記載があるもの(添付文書、IF、製薬会社のwebサイトより)
ノルスパン®テープ
処方時・調剤時に注意が必要な薬。
適応は、
非オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛
・ 変形性関節症
・ 腰痛症
毎日貼りかえるのではなく、7日毎に貼り替えて使用する。
入浴する際は、「熱い温度での入浴は避け」、「シャワー等で貼付部位に長時間直接湯をかけない」こと。
毎回貼付部位は変える。
第2種向精神薬なので帳簿記載が必要&保管場所はしっかりと向精神薬の場所に。
ノルスパン®テープの流通管理体制
1. ノルスパン®テープの購入および調剤のできる医療施設は、予め登録された医療機関および薬局に限られる。
2. ノルスパン®テープの処方ができる医師は、e-learning受講済み医師に限られる。
3. e-learning受講済み医師が休みの場合、前回と同じ処方内容であっても、代理の医師が本剤を処方することは出来ない。
4. ノルスパン®テープを調剤する薬剤師は、処方元医師が当該e-learning受講済み医師であるか否かの事前確認を行う。
フェントス®テープ
切断が不可なのは、おそらく麻薬だからだと思われる。
ノルスパンテープとフェントステープの換算は10:1。
適応は以下の通り。
非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記における鎮痛(ただし、慢性疼痛は他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)
●中等度から高度の疼痛を伴う各種がん
●中等度から高度の慢性疼痛
がんだけでなく、慢性疼痛にも使用可能。1日(約24時間)毎に貼り替えて使用。
慢性疼痛に使用する場合は要注意!ノルスパン®とは少し異なる管理体制がある。
医師:
1. e-learningの受講
2. 確認書を用いた同意取得
3. 患者様の効能・効果の確認
4. 確認書提示の説明
調剤薬局:
確認書および処方箋の不備がないことを確認後、調剤
デュロテップ®MTパッチ、ワンデュロ®パッチ
適応は以下の通り。
非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)
●中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
●中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛
デュロテップ®MTは3日毎(約72時間)に貼り替えて使用。
ワンデュロ®は1日(約24時間)毎に貼り替えて使用。
やはりというか、慢性疼痛に使用する場合は要注意!フェントスと同様の管理体制がある。
医師:
1. e-learningの受講
2. 確認書を用いた同意取得
3. 患者様の効能・効果の確認
4. 確認書提示の説明
調剤薬局:
確認書および処方箋の不備がないことを確認後、調剤
参考:換算表(オピオイド鎮痛剤1日使用量に基づく推奨貼付用量)
イクセロン®パッチ、リバスタッチ®パッチ
適応は「軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」。
通常、1日1回4.5mgから開始し、4週毎に4.5mgずつ増量、維持量として1日1回18mgを貼付。
患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。
24時間毎に貼り替える。
エストラーナ®テープ
適応は以下の通り。
●更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う下記症状
血管運動神経症状(Hot flush及び発汗)、泌尿生殖器の萎縮症状
●閉経後骨粗鬆症
● 性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症
下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日毎に貼り替える。
使用部位、貼り替えタイミングに要注意。
メノエイドコンビ®パッチ
適応は、「更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経系症状(Hot flush及び発汗)」。
通常、本剤1枚を3〜4日ごとに1回(週2回)下腹部に貼付する。
使用部位、貼り替えタイミングに要注意。
ニュープロ®パッチ
パーキンソン病、レストレスレッグス症候群の治療薬として、初の貼付剤。
2.25mg、4.5mg製剤
●パーキンソン病
●中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
9mg、13.5mg、18mg製剤
●パーキンソン病
どの適応でも24時間毎に貼り替える。
パーキンソン病:1日1回4.5mgから開始、以後経過を観察しながら1週間毎に1日量として4.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量9mg〜36mg)を定める。
レストレスレッグス症候群:1日1回2.25mg/日から開始、以後経過を観察しながら1週間以上の間隔をあけて1日量として2.25mgずつ増量し、維持量(標準1日量4.5mg〜6.75mg)を定める。
ロナセン®テープ
抗精神病薬では初の経皮吸収型製剤。
適応は統合失調症。24時間ごとに貼り替える。
錠剤と比較して以下の利点がある。
●経口剤よりテープ剤の方が血中濃度が安定しやすい。
●副作用のパーキンソン症候群の頻度が、錠剤では35.0%なのに対してテープだと13.6%と少ない。
●錠剤は空腹時では吸収が大きく低下するため食後投与だが、テープは食事の影響はうけないため食前・食後どちらでもよい。食生活が乱れている患者でも使いやすい。
パーキンソン症候群の頻度が製剤に20mg、30mg、40mgがあり、通常、成人には40mgを1日1回貼付。状態に応じて最大80mgを1日1回貼付することもできる。
ロナセン®錠から本剤へ切り替える場合には、次の投与予定時刻に切り替え可能。
切り替えの目安は次の通り。
ロナセン錠最終投与量 | 本剤開始貼付量 |
8 mg/日 | 40 mg/日 |
12 mg/日 | 60 mg/日 |
16 mg/日 | 80 mg/日 |
テープ剤だが、併用禁忌薬剤があることに要注意!
例として、CYP3A4を強く阻害する薬剤などがある。
<アゾール系抗真菌剤>
イトラコナゾール(イトリゾール®)
ボリコナゾール(ブイフェンド®)
ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)(フロリード®、オラビ®)
フルコナゾール(ジフルカン®)
ホスフルコナゾール(プロジフ®)
<HIVプロテアーゼ阻害剤>
リトナビル(ノービア®)
ロピナビル・リトナビル配合剤(カレトラ®)
ネルフィナビル(ビラセプト®)
ダルナビル(プリジスタ®)
アタザナビル(レイアタッツ®)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ®)
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