SGLT2阻害薬は尿中に糖を排泄するが、実際にはどのくらいの量を1日当たり排泄するのか。
各薬剤の電子添文、IFをもとに紹介します。
イプラグリフロジン(スーグラ®)
腎機能の程度が異なる2型糖尿病患者(25例)に、本剤50mgを食前単回経口投与
→1日あたりの尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量は
腎機能正常:約71g
軽度腎機能低下:約61g
中等度腎機能低下:約38g
であり、腎機能低下患者で低かった。
参考:電子添文
ダパグリフロジン(フォシーガ®)
日本人2型糖尿病患者36例にプラセボ、本剤2.5、10、20 mgを1日1回14日間反復経
口投与したプラセボ対照用量漸増反復投与試験によると
投与1日目の投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量:
本剤のmg | 尿中グルコース排泄量g/日 |
2.5 | 37.9 |
10 | 68.4 |
20 | 76.7 |
投与14日目の投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量:
本剤のmg | 尿中グルコース排泄量g/日 |
2.5 | 41.6 |
10 | 71.4 |
20 | 73 |
参考:IF
カナグリフロジン(カナグル®)
腎機能正常及び中等度腎機能障害を伴う2型糖尿病患者(日本人)
カナグリフロジンとして100mgを単回経口投与したときにおける投与後 24 時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量(平均値[95%信頼区間])
→
腎機能正常:86.592g [75.612, 97.572]
中等度腎機能障害:61.017g [49.362,72.671]
参考:IF
ルセオグリフロジン(ルセフィ®)
腎機能障害を伴う2型糖尿病患者及び正常腎機能を有する2型糖尿病患者にルセオグリフロジン5mgを単回経口投与。
腎機能障害の程度 eGFR |
尿糖排泄量 g/日 | |
正常 90以上 (n=11) |
88.3±36.9 | |
軽度 60~89 (n=17) |
69.7±19.1 | |
中等度 | 45~59 (n=10) |
57.3±14.9 |
30~44 (n=13) |
35.3±10.8 | |
重度 15~29 (n=6) |
21.8±7.10 |
エンパグリフロジン(ジャディアンス®)
日本人腎機能正常及び軽度、中等度、高度腎機能障害の2型糖尿病患者にエンパグリフロジン25mg単回経口投与を行った結果。
腎機能障害の程度 eGFR |
尿中グルコース排泄量 平均値g/日 |
正常腎機能 eGFR≥90 (n=8) |
75 |
軽度腎機能障害 eGFR 60~<90 (n=6) |
62.6 |
中等度腎機能障害 eGFR 30~<60 (n=8) |
57.9 |
高度腎機能障害 eGFR 15~<30 (n=7) |
23.7 |
参考:電子添文
トホグリフロジン(デベルザ®)
正常な腎機能及び種々の程度の腎機能障害を有する外国人 2 型糖尿病患者 36 例を対象として、本剤 20mg を単回経口投与した場合。
参考:IF
投与量と腎機能の程度にもよるが
承認用量上限、腎機能正常
→大体70~80g/日の糖を排泄
腎機能が落ちてくると
→尿糖排泄効果は減少

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