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眼科

ティーエスワン(TS-1)服用中にヒアレイン点眼は使用できる?できない?

ヒアレイン®点眼は誰にでも安全に使用できる??

ヒアルロン酸点眼(ヒアレイン®点眼)はよく処方される目薬だが、ティーエスワン®(S-1)服用中の患者には処方しないほうがいいだろう。

あまり知られていないかもしれないが、ティーエスワン®の以下のような目の副作用がある

ティーエスワン®による目の副作用

角膜障害:主に涙が出やすくなる(流涙)、涙があふれて視界がぼやける、目がしょぼしょぼする、眼痛、異物感、視力低下、霧視など

涙道障害:主に眼脂など

それぞれの障害の原因としては
●テガフールから変換されたフルオロウラシルが涙液中に分泌
→角膜障害

●フルオロウラシルを含んだ涙液が涙道を通過
→涙道粘膜の炎症、涙道扁平上皮の肥厚と間質の線維化をきたし、その結果涙道狭窄・閉塞が生じる

と考えられている。

電子添文によると
「製造販売後に実施した切除不能又は再発胃癌症例を対象とした臨床試験のTS-1単独投与においては、流涙16.0%と副作用発現率が高かった。」とあるので流涙は稀な症状ではない。

なお、流涙は 角膜障害による涙液分泌亢進 や 涙道障害による涙液排出低下がその原因 として疑われている

ティーエスワン®による流涙は半数の症例が投与開始から3ケ月以内に発現する。
軽度の例では薬の中止により軽快するが、涙道狭窄の見られる重度の症例では眼科的処置が必要となる。

そのため流涙が持続する場合や流涙の程度が強い場合には、涙道の狭窄や閉塞が発生していることも考えられることから、眼科医に相談し、適切な処置をとることになる。

眼科的処置として、角膜障害に対しては抗がん剤の成分を洗い流す目的で防腐剤を含まない人工涙液(ソフトサンティア®など)によりWash out を行う。
障害の程度によっては抗菌薬やステロイドを投与することもある。

注意!
人工涙液マイティア®にはベンザルコニウム塩化物が入っているので適さない。
第3類医薬品のソフトサンティア®にはベンザルコニウムは入ってないので、市販薬として購入して使用することとなる。

その一方で、
精製ヒアルロン酸ナトリウム(ヒアレイン®)点眼は使用しないほうがよい。それは、その粘稠性の高さから、抗がん剤の成分を含有する涙液の停滞を起こし、角膜上皮障害を増悪させる可能性があるからだ。

そして、防腐剤入りの点眼薬も、角膜障害を悪化させるリスクがあるため適さない。
また水道水は滅菌水ではないため、抗がん剤を洗い流す目的での使用は推奨されない。

 

というわけで、ティーエスワン®(TS-1)服用中にヒアレイン®点眼は使用できる?できない?という問題だが

ティーエスワン®を服用中
→ヒアレイン®点眼は使用しないほうがよい

となる。

現時点で目の症状がなかったとしても将来出る可能性もある。
ヒアルロン酸ナトリウムおよび防腐剤を含む点眼薬の使用は、抗がん剤の成分を含有する涙液の停滞と目の症状悪化の可能性があるため注意が必要だ。

 

まとめ

ティーエスワン®服用中
→ヒアレイン点眼は使わない

ティーエスワン®服用中に角膜障害
→防腐剤の含まない人工涙液(ソフトサンティア®)で洗い流す。
注意!人工涙液マイティア®はベンザルコニウムを含むのでダメ

 

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