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眼科

ヒアレイン点眼、ムコスタ点眼、ジクアス点眼。違い、特徴、比較。防腐剤は入ってる?

ドライアイとは

ドライアイは、角膜及び結膜上皮の障害により眼の表面のムチン量が減少し、水層を安定化させる機能が障害され、目の不快感などを生じる病気である。
近年、VDT作業の増加や室内環境の変化によりドライアイ患者数は増加しているが、現在のところ、「根本的」治療法は無い。

 

ドライアイに使用される目薬

精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(ヒアレイン®点眼液)
<特徴>
平均分子量50万~149万であるヒアルロン酸ナトリウムは、その分子内に多数の水分子を保持しており、優れた保水性を示し、涙液層の安定性を増加させる。
また、 角膜の創傷に優れた治癒促進効果を示す。

ヒアレイン®には以下の製剤がある。
ヒアレイン®点眼液0.1%、0.3%
ヒアレイン®ミニ点眼液0.1%、0.3%
「ミニ」は1回使い切り製剤。1本中に0.4mL入っている。

 

<適応>
ヒアレイン®点眼液
下記疾患に伴う角結膜上皮障害
●シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼球乾燥症候群(ドライアイ)等の内因性疾患
●術後、薬剤性、外傷、コンタクトレンズ装用等による外因性疾患

ヒアレイン®ミニ点眼液
●シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群に伴う角結膜上皮障害

そのうち添付文書が改定されるかもしれないが、ヒアレインの添付文書の「効能又は効果」の項目を見てほしい。この記載方法では、ヒアレインもヒアレインミニも同じ適応だと勘違いしてもおかしくない。

添付文書を最後までみると、
保険適用(給付上)の注意
ヒアレインミニ点眼液0.1%、ヒアレインミニ点眼液0.3%は、シェーグレン症候群又はスティーブンス・ジョンソン症候群に伴う角結膜上皮障害の患者に使用した場合に限り算定するものであること

と書いてある。これじゃわかりにくい。メーカーに確認したところ、添付文書の新様式ではこうなるのです、との返事でした(2021年6月)。

<用法>
1日5〜6回点眼

 

<ベンザルコニウム(防腐剤)を含んでいるか?>
ヒアレイン®点眼液0.1%、0.3%:
→以前はベンザルコニウムを含んでおり、「ソフトコンタクトレンズ装用時に関する注意事項」が記載されていた。
現在では防腐剤がクロルヘキシジングルコン酸塩液に変更され、「ソフトコンタクトレンズ装用時に関する注意事項」は削除された。

ヒアレイン®ミニ点眼液0.1%、0.3%:
→どの防腐剤も含んでいない。

ということで、今はどのヒアレイン製剤もベンザルコニウムを含んでいないので、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用可能と考えられる。

 

<ヒアレイン点眼液とヒアレインミニ点眼液の使い分け>
適応症が異なることに注意。
ミニは「シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群に伴う角結膜上皮障害」のみ!
ミニはどの防腐剤も含んでいないため、目の症状が重度の場合にミニを選択するとよいだろう。

ベンザルコニウム(防腐剤)

ベンザルコニウムはソフトコンタクトレンズに吸着される。
これにより、レンズと密着している角膜の細胞のタンパク質を変性させ、角膜上皮障害を引き起こす可能性がある。

そのため、ベンザルコニウムを含有する目薬を差す場合、ソフトコンタクトをはずしてから使用するのが原則である。

 

 

ジクアホソルナトリウム点眼液(ジクアス®点眼液0.3%)
<特徴>
2010年12月に発売。
ドライアイ治療に対し新規の薬理作用を有する世界初の P2Y2受容体作動点眼剤
結膜上皮と杯細胞膜上のP2Y2受容体に作用し、細胞内のカルシウム濃度を上昇させることで、結膜での「水分」と「ムチン」の2つの分泌を促進する。

 

<適応>
ドライアイ

 

<用法>
1日6回点眼

 

<ベンザルコニウムを含んでいるか?>
含んでいない。
含まれている防腐剤はクロルヘキシジングルコン酸塩液で、ソフトコンタクトレンズに関する注意事項はない

 

 

レバミピド点眼液(ムコスタ®点眼液UD2%)
<特徴>
2012年1月5日に発売。
レバミピドには胃粘液(=ムチン)増加作用があり、すでにムコスタ®錠として胃炎・胃潰瘍治療剤として広く使用されている。
実は、ムチンは角膜と結膜からも産生されており、レバミピドを点眼液として使用することで角膜と結膜のムチンの増加作用が確認されている。

1回1本(0.35ml)、使い捨ての無菌ディスポーザブルタイプの製剤である。

なお、レバミピドには苦味があり、点眼後の副作用として苦味を感じることがある(約15%)。


<適応>
ドライアイ

 

<用法>
1日4回点眼

 

<使用時の注意点>
ムコスタ®点眼液UD2%は懸濁液のため、使用時は点眼容器の丸くふくらんだ部分を指でしっかりはじいてから使用する。

他の点眼剤と併用する場合には、少なくとも5分間以上の間隔をあけて点眼する。

本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。

苦み等の副作用を防ぐため、点眼後は目を閉じて、1~5分間は涙嚢部(=目頭のやや鼻より)を圧迫するよう指導する。
キーワード:懸濁液、5分あける、5分間は涙嚢部を圧迫

 

<ベンザルコニウムを含んでいるか?>
含んでいない。また、クロルヘキシジングルコン酸塩液も含んでいない。
ただし、「本剤の有効成分はソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、目に違和感を感じたときは眼科医に相談すること。」となっている。

 

 

各目薬の比較

ヒアレイン®:水分保持。
ジクアス®  :水分とムチンの分泌促進
ムコスタ®  :ムチン増加

どの製品もベンザルコニウムは含んでいない。

ヒアレイン®とジクアス®はクロルヘキシジングルコン酸塩液を含むが、「ソフトコンタクトレンズ装用時に関する注意事項」はない。

ムコスタ®は防腐剤は含んでいないが、有効成分がソフトコンタクトレンズに吸着することがある。

 

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