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感染症・抗生剤・抗ウイルス薬

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の効果持続期間は?再接種は5年以上?

肺炎と肺炎球菌について

肺炎は日本人の死亡原因でも上位の疾患で、厚生省発表の2020年のデータでは死亡順位5位である。


高齢者ほど肺炎の発症頻度は上がり、重症化リスクも上昇する。

肺炎の原因には細菌やウイルスなど多数あるが、市中肺炎では肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)によるものが最も多い


実は肺炎球菌は上気道の常在菌で、成人の保菌率は5~10%と少ないが、小児ではなんと20~40%と高い保菌率である。

肺炎球菌はポリサッカライド(多糖類)から構成される莢膜を有し、莢膜の型が病原性に大きく関わる。
肺炎球菌は自身の莢膜によってヒト体内での食菌作用から保護されている。
しかし、莢膜の構成成分であるポリサッカライドに対する抗体が菌体莢膜と結合すると、体内での食菌作用が著しく増強され、菌は貪食される。

なお「間質性肺炎」は肺炎と名前がつくが、通常の肺炎とは症状が異なるそうだ。東京逓信病院の解説がわかりやすいのでもしよければご覧いただきたい。

 

肺炎球菌ワクチンのニューモバックス®NP

肺炎球菌ワクチンにはニューモバックス®NPというものがある。
肺炎球菌感染症に罹患する危険率が高く、また重篤になり易いハイリスク群患者の感染予防を目的として作られたワクチンだ。


日本では、2014年から高齢者の肺炎球菌感染症へのワクチン定期接種制度が始まっている。高齢者への接種は、基本的に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳のように65歳から5年ごとの年齢が定期接種の対象年齢となる。
参考:厚生労働省 肺炎球菌感染症(高齢者)

ニューモバックス®NPを初めて接種する方を対象に、接種費用の一部を1回に限り助成してくれる制度なので、上手に活用してほしい。なお、自己負担金の費用は各自治体で異なる。

<ニューモバックス®NPの特徴>
肺炎球菌感染症のうち、重症の肺炎球菌感染症の原因の64%を占める23種類の莢膜型に対応できる不活化ワクチン23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)である。

なお当然のことだが、対応できる莢膜型以外の型の肺炎球菌による感染に対しては予防効果がない。


<効果持続期間と再接種について>
ニューモバックス®NPの予防効果は5年は持続するとされているが、確立したものではない(メーカーに確認ずみ)。
接種により上昇した特異抗体濃度は時間の経過とともに低下し、高齢者や呼吸器、循環器に基礎疾患を有する人では低下しやすい傾向にあることも報告されており、再接種が必要とするケースも出てくるかもしれない。


肺炎球菌ワクチン再接種のガイダンス(改訂版)では、ニューモバックス®NPの再接種について以下のように記載されている。

PPSV23(→ニューモバックス®NPのこと)の再接種による臨床的な有効性のエビデンスは明確になっていないが、症例によっては追加接種を繰り返すことを考慮してもよいと考える。

PPSV23 の再接種における安全性、忍容性に関しては、初回接種から5年以上経過していればほぼ問題なく接種できることが明らかとなっている。

初回接種から5年以内に再接種をすると、注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現すると報告されているため注意が必要。
そのため、5年以内の再接種は
接種不適当者には該当しないが、おすすめはできない

なお、2回以上の接種についての添付文書上の制限はなく可能だが、自費扱いになる。

 

ニューモバックス®NPの対象患者
2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者が対象となる。
☞2歳から使用可能!

●脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防
●肺炎球菌による感染症の予防
1)鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
2)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者
3)高齢者
4)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者

参考:
ニューモバックス®NP添付文書
ニューモバックス®NP 製品情報Q&A

 

高齢者の肺炎球菌の定期接種はどこで受けられる?

定期接種の実施主体は市町村になります。お住まいの市町村にお問い合わせください。
最近では多くの医療機関で実施しており、院内でポスターなども貼ってあることが多いです。お近くの医療機関に確認してみるのもよいでしょう。

 

おまけ:肺炎球菌に効果のある抗生剤は?

肺炎球菌はペニシリン耐性菌が問題となっているが、ペニシリン感受性(penicillin-sensitive Streptococcus pneumoniae:PSSP)の場合は、まずはペニシリンを使用する。
内服ならアモキシシリン(サワシリン®)、注射ならペニシリンGなどを重症度などに応じて選択する。

ペニシリンが使用できない場合は、第3世代セフェム系、レボフロキサシンなどの使用を考慮する。

ペニシリン抵抗性(penicillin resistant Streptococcus pneumoniae:PRSP)の場合は、注射のバンコマイシン、メロペネム、セフトリアキソンなどが候補にあがる。

厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)の資料も参考にするとよいだろう。

 

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