アセトアミノフェンの毒性
アセトアミノフェンは、医療用製剤ではカロナール・PL配合顆粒・SG配合顆粒・トラムセットなどに含まれている。
また、市販薬の解熱鎮痛薬や感冒薬の約9割に、主薬として含まれている。
通常、常用量では副作用も少なく小児から使える比較的安全な薬剤であるが、大量に服用すると重篤な肝障害・腎障害等を引き起こすことがある。
アセトアミノフェンは10g 以上の内服で中毒を起こし、25g が致死量(あるいは中毒量:150mg/kg、致死量:0.2~1g/kg)とされている。
アセトアミノフェンの毒性
中毒量
10g以上 もしくは 150mg/kg
致死量
25g もしくは 150mg/kg
カロナール錠の添付文書では、鎮痛に使用できる量は1日総量で4000mgまでとなっており、通常では過量となることはない。
中毒の発生原因としては、自殺目的などによるものが多い。
アセトアミノフェン中毒と判明したら、次の解毒剤による治療を行う。
アセトアミノフェン中毒解毒剤
アセチルシステイン内用液17.6%「あゆみ」
<特徴>
「アセトアミノフェン過量摂取時の解毒」を効能とする、日本初のアセチルシステイン内用液。
<作用機序>
アセトアミノフェンは、代謝産物として N-アセチル-pベンゾキノンイミン(NAPQI)を生じ、これがアセトアミノフェン中毒において重要な役割を果たしていると考えられている。
NAPQI は少量であればグルタチオン抱合反応によってグルタチオン抱合体となり胆汁中に排泄され、さらにいくつかの反応を経てメルカプツール酸として尿中に排泄される。
しかし、アセトアミノフェンの過量摂取により NAPQIが過剰産生されると、グルタチオンが素早く枯渇し、NAPQI が無毒化されずに蓄積する。
アセチルシステインは、グルタチオンの前駆物質として働き、解毒作用を示すと考えられている。なお、作用部位は肝臓である。
<適応>
アセトアミノフェン過量摂取時の解毒
<用法用量>
通常、原液もしくは原液を希釈した液を初回にアセチルシステインとして140mg/kg、
次いでその4時間後から70mg/kgを4時間毎に17回、
合計18回、服用する。
服用後1時間以内に嘔吐した場合は、再度同量を服用する。
経口投与が困難な場合は、胃管又は十二指腸管により投与する。
→なんとなんと、合計18回の服用!!
<注意点>
アセトアミノフェン摂取後なるべく早期に投与を開始する。
8時間以内が望ましいが、24時間以内であれば効果が認められることが報告されている。
参考:アセチルシステイン内用液17.6%「あゆみ」の添付文書、インタビューフォーム
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