クループ症候群の基本情報
●急性の気道閉塞性呼吸困難を呈する病態の総称。
●多くはウイルスが原因で、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどの感染により起こる場合がある。
●多くは生後6カ月~3歳の小児に発生する。
●喉頭の炎症による「ケンケンと、犬が吠えるような特徴的な咳」や、吸気性喘鳴、嗄声、呼吸困難などの症状があるとクループ症候群を疑う。
クループ症候群の治療
喉頭の炎症を抑えるためにステロイドが処方される。
<軽症>
デキサメタゾン エリキシル(デカドロン®エリキシル)
処方例
デキサメタゾンとして0.15mg(デカドロン®エリキシルとして1.5ml)/kg、単回服用。
1歳、10kgなら1回に15ml内服。
なお、デカドロン®エリキシルはクループ症候群には適応外になるが、社会保険診療報酬支払基金では「当該使用事例を審査上認める」対象になっている。
デカドロン®エリキシルの在庫がない場合は、リンデロン®シロップ(ベタメタゾン)の同量処方で代用される場合がある。
ベタメタゾンはデキサメタゾンの光学異性体で、薬効もほぼ同等。
また、デカドロン®エリキシルはアルコールが含まれているが、リンデロン®シロップにはアルコールは含まれていないという特徴がある。
クループ症候群は夜間に悪化することが多いため、咳・喘鳴が再発した場合はすぐにステロイドを服用させ、できるだけ早く受診する必要がある。
<中等症から重症>
ブデソニド(パルミコート®)吸入が症状の改善と入院抑制に有効とされ、欧米のガイドラインではデキサメタゾン内服困難例が適応と位置づけられている。
参考:
●咳嗽に関するガイドライン第2版
●小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017
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