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眼科

目薬の使用回数を守らないと逆に効果が弱くなるもの。

過ぎたるは猶及ばざるが如し

緑内障・高眼圧症治療薬であるプロスタグランジン(PG)関連薬には以下の4つがある。

●ラタノプロスト(キサラタン®)点眼液
●ビマトプロスト(ルミガン®)点眼液
●タフルプロスト(タプロス®、タプロス®ミニ)点眼液
●トラボプロスト(トラバタンズ®)点眼液

どの製剤の用法用量も「1回1滴、1日1回点眼する」なのだが、
実は頻回投与により眼圧下降作用が減弱する可能性があるので、1日1回を超えて投与しないこと」と添付文書にはっきりと記載されているのだ。
なんとなく、「多く使えばもっと効くんじゃないの?」はダメなのである。患者さんには1日1回の理由をしっかりと指導する必要がある。

 

ちなみに、これら4つのPG関連薬を「眼内レンズ挿入眼の患者」に使用すると、嚢(のう)胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こすとの報告がある」ため注意が必要となっている。
白内障治療で眼内レンズを入れた人への使用は、なるべく控えたほうがよい、ということになるのかな。


なお、世界初の選択的EP2受容体作用薬であるエイベリス®点眼液でも、副作用として
嚢(のう)胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫(5.2%)が報告されている。
そして、
いずれも眼内レンズ挿入眼患者において認められたため、エイベリス®点眼液は「眼内レンズ挿入眼の患者」には禁忌となっている。
患者さんから「白内障の治療は終わったのよ~」と言われたら要注意!!

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Quiz:
PG関連薬のうち、ベンザルコニウム塩化物が入っていないものは?

answer:
タプロス®ミニ、トラバタンズ®。

 

 

他の緑内障治療薬はどうなっている?

以下に示す緑内障治療薬には、頻回投与で効果減弱、眼内レンズ注意、の記載はない(2021年2月時点)。

β遮断薬
●チモロールマレイン酸塩(チモプトール®)点眼液
0.25%、0.5%製剤がある。

●カルテオロール塩酸塩(ミケラン®)点眼液
1%、2%製剤がある。

共通禁忌:喘息、重篤なCOPD

 

炭酸脱水素酵素阻害薬
●ブリンゾラミド(エイゾプト®)懸濁性点眼液
1日2回点眼。効果不十分なら1日3回点眼。

●ドルゾラミド塩酸塩(トルソプト®)点眼液
0.5%、1%製剤がある。

共通禁忌:重篤な腎障害のある患者

 

α2刺激薬
●ブリモニジン酒石酸塩(アイファガン®)点眼液
PG関連薬やβ-遮断剤等の他の緑内障治療で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に使用を検討する。

 

Rhoキナーゼ阻害薬
●リパスジル塩酸塩水和物(グラナテック®)点眼液
PG関連薬やβ遮断薬等の他の緑内障治療薬で効果不十分又は副作用等で使用できない場合に本剤の使用を検討する。

 

イオンチャネル開口薬
●イソプロピル ウノプロストン点眼液(レスキュラ®)点眼液
「網膜色素変性症」に使用すると進行が少しゆるやかになり感度も僅かに良くなったという報告あり(適応外使用)。網膜色素変性症は難病指定。詳細は難病センターのサイトをご覧ください。

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