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脳神経・睡眠・精神系

メラトベルとロゼレムとの違い、特徴、注意点。

概要

2020年6月23日に発売されたメラトニン(商品名メラトベル)は、
日本で初めて、内因性ホルモンと同一の化学構造式を持つメラトニンを有効成分としたメラトニン受容体作動性の入眠改善薬である。

メラトニンは、メラトニン受容体(MT1及びMT2受容体)を活性化し、睡眠・覚醒を含む概日リズムの維持・調整に関与することにより、入眠にかかる時間を短縮する。

これまで、国内ではメラトニンは承認されておらず、メラトニン受容体作動薬のラメルテオン(商品名ロゼレム)が成人に対して「不眠症における入眠困難の改善」で承認されていた。

 

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詳細

適応症

小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善。6歳~15歳で使用可能。
小児なら誰にでも使用できる、というわけではない。

神経発達症の診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

6歳未満又は16歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない(当該年齢の患者を対象とした臨床試験は実施していない)。

神経発達症とは?

神経発達症は、①知的能力障害群、②コミュニケーション症群、③自閉スペクトラム症、④注意欠如・多動症、⑤限局性学習症、⑥運動症群及び⑦他の神経発達症群の、7つの診断分類で構成される。

神経発達症は睡眠障害を合併する場合が多く、不眠障害、睡眠時随伴症群、概日リズム睡眠覚醒障害群など種類もいくつかある。

 

用法及び用量

通常、1日1回1mgを就寝前に服用。
症状により適宜増減するが、1日1回4mgを超えないこと。

作用機序

メラトニンは、視交叉上核のメラトニン受容体(MT1及びMT2受容体)を活性化することで睡眠作用がある。

MT1 受容体の活性化は催眠に関与し、
MT2受容体の活性化は視床下部の視交叉上核によって制御される睡眠・覚醒を含む概日リズムの維持・調整に関与する。

禁忌

禁忌には、フルボキサミン(ルボックス、デプロメール)がある。

メラトニンの主要代謝酵素CYP1A2及びCYP2C19をフルボキサミンが強力に阻害し、メラトニンの血中濃度が上昇し、作用が強くでるおそれがあるため。

フルボキサミンは小児期の強迫性障害などに使用されるため、併用薬の確認は怠れない。

 

ロゼレム®とメラトベル®の違い

ずばり、成分と、適応症・年齢が異なる。

ロゼレム®はラメルテオン、メラトベル®はメラトニンで、成分が異なる。
ただし、どちらもメラトニン受容体(MT1及びMT2受容体)を活性化することで作用を発揮する。

適応症・年齢は、
ロゼレム®が
不眠症における入眠困難の改善、成人に使用

に対して

メラトベル®が
小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善、年齢は6~15歳。

参考:各薬剤のインタビューフォーム

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