ジクロフェナク服用開始後の30日以内の心血管系リスクと上部消化管出血リスクについて、以下の報告がありました。
心血管系のリスク
ジクロフェナク群は、NSAIDsを服用しない群、アセトアミノフェン(商品名カロナール)、イブプロフェン(商品名ブルフェン)、ナプロキセン(商品名ナイキサン)を服用する群と比較して、心血管イベントの発生が多くリスク上昇の程度は次のようでした。
<ジクロフェナクのリスク上昇の程度>
以下と比較すると
NSAIDs 非服用:1.5[95% 信頼区間 1.4~1.7]
アセトアミノフェン:1.2[95% 信頼区間 1.1~1.3]
イブプロフェン:1.2[95% 信頼区間 1.1~1.3]
ナプロキセン:1.3[95% 信頼区間 1.1~1.5]
上部消化管出血のリスク
ジクロフェナク群は、NSAIDsを服用しない群、アセトアミノフェン、イブプロフェンを服用する群よりも上部消化管出血のリスクが高く、ナプロキセン服用群とは同程度のリスクでした。
<ジクロフェナクのリスク上昇の程度>
以下と比較すると
NSAIDs 非服用:4.5
アセトアミノフェン:2.5
イブプロフェン:2.5
ナプロキセン:同程度
以上の事から、安易にジクロフェナクを処方することには注意をした方がよさそうです。
参考:
Schmidt M et al., Diclofenac use and cardiovascular risks: series of nationwide cohort studies.
BMJ. 362: k3426, 2018.
https://doi.org/10.1136/bmj.k3426
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