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糖尿病

血糖の厳格管理で死亡率は減りますか? ACCORD研究の驚くべき結果とは。

糖尿病患者の血糖値の「適切」な管理は必要ですが、厳格」な血糖コントロールをするとどのような結果になるのでしょうか?

細小血管症の発症リスク
厳格な血糖コントロールにより、網膜症や腎症の発症・進展リスクが低下することが、日本人を対象にしたKumamoto スタディにより実証されています。
つまり、細小血管症の発症・進展リスクが低下します。

ただし、HbA1c(NGSP値)を7.0%未満にコントロールしても、それ以上のリスク低下はほとんどありませんでした。

なお、急激に血糖値を低下させると網膜症が一時的に悪化することが知られているので、注意が必要です。

 

大血管症の発症リスク
非糖尿病患者に比べて、糖尿病患者は冠動脈疾患の頻度が約2~4倍に上昇します1)
厳格に血糖をコントロールすると、非致死性心筋梗塞は17%減少し、冠状動脈性心疾患は15%減少します2)
しかし、リスク低下度はそこまで大きくないため、血糖コントロールだけで大血管症を完全に予防することは難しいです。

 

死亡リスク
大規模RCTによるメタ解析によると、血糖を厳格にコントロールしても死亡率の改善は見られませんでした2)
そればかりか、解析対象となった個々の試験結果に目を通すと、ACCORD研究では厳格に血糖をコントロールすると死亡リスクが有意に増加する場合もあるという結果でした3)

ACCORD研究とは、強化治療群(HbA1cを6%以下に下げることを目標)が、標準治療群(HbA1cを7~7.9%の範囲に緩やかにコントロールすることを目標)よりも心血管イベントを減らすかを検討した試験です。
この試験の途中、強化治療群の方が総死亡が22%も上昇してしまい、倫理的な配慮から追跡期間は3.5年でこの研究は終了しました

厳格な血糖コントロールにより
1)細小血管症のリスクは低下する。
2)大血管症のリスクはわずかに低下する。
3)死亡のリスクは優位に低下しない、もしくは逆に死亡率が増加する場合がある。

以上のことから、「厳格」な血糖コントロールは血管症のリスクを低下するが、死亡率が増加する可能性があり、避けるべきであると考えられます。

参考:
1)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
2) Lancet. 2009 May 23;373(9677):1765-72.
Effect of intensive control of glucose on cardiovascular outcomes and death in patients with diabetes mellitus: a meta-analysis of randomised controlled trials.
3) N Engl J Med. 2008 Jun 12;358(24):2545-59.
Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes.

 

 

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