近視学童における0.01%アトロピン点眼剤の近視進行抑制効果に関する研究(ATOM-J Study)によると、0.01%アトロピン点眼はプラセボと比べて、2年間にわたって日本人学童の近視の進行を有意に抑制した。
ATOM-J Studyは、多施設共同の無作為化二重盲検プラセボ対象並行群間比較試験。
対象は6~12歳の学童。
0.01%アトロピン点眼液を1日1回点眼する群(84人)と、プラセボを1日1回点眼するコントロール群(84人)に分けて、24カ月後の屈折値変化を比較した。
その結果、屈折値変化はそれぞれ-1.26D、-1.48Dで、両群間には有意差(P<0.001)を認めた。
2021年2月時点、アトロピン点眼液には1%製剤しかないため、0.01%にするには調整をしなければならない。
近視進行抑制の目的のための0.01%アトロピン点眼の処方は適応外だが、もし処方を受け付けることがあれば、「あ!これ知ってる!」と思っていただけたらと思う。
なお、アトロピン点眼液1%の適応は「診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺」。
アトロピンはムスカリン受容体拮抗薬であるが、0.01%アトロピン点眼で近視の進行が抑制される詳しいメカニズムについては明らかではない。
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