胃腸科のキプレス 処方意図は
先日、とある胃腸科から
プレドニン®(プレドニゾロン)
キプレス®(モンテルカスト)
タケキャブ®(ボノプラザン)
が処方された患者さんがいました。
みなさんはこの組み合わせを見て、どんな病気を思い浮かべますか?
キプレス®だから喘息か鼻炎?
胃腸科でタケキャブ®だから逆流性食道炎?
んでステロイドか。
んー 原因がよくわからない咳症状で受診して、とりあえず色々と出したのかな?
…
…
…
実際に患者さんに詳しくお話を伺ったところ、診断名は「好酸球性胃腸炎」でした。
好酸球性胃腸炎とは
ただの胃腸炎ではなく、好酸球性胃腸炎。
調べてみると
この病気は、胃から直腸までの消化管に「好酸球」という免疫細胞が異常に集まり、炎症を引き起こすのが特徴です。年齢や性別に関係なく、子供から大人まで発症する可能性があります。
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吐き気や嘔吐
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腹痛やお腹の張り
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血便
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腹水(お腹に水がたまる)
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末梢血中の好酸球増加 など
好酸球性胃腸炎の治療方法
好酸球性胃腸炎の治療法には、主に経口ステロイドが用いられます。治療の基本は、最初に多めのステロイド(通常20~40mg/日)を服用して炎症を抑え、その後は症状が出ない範囲で徐々に減量していきます。
長期的にステロイドを使用すると、全身性の副作用が発生する可能性があるため、なるべく少ない量で管理することが重要です。ただし、薬を減らしすぎると症状が再発することがあるため、注意が必要です。
一部の患者さんは、抗ロイコトリエン薬、プロトンポンプ阻害薬などが効果を示すことがあるそうです。
今回の処方では
抗ロイコトリエン薬→キプレス®
プロトンポンプ阻害薬→タケキャブ®
も処方されており、まさに 好酸球性胃腸炎に対しての処方 と言えるでしょう。
この処方が出て数か月。
この患者さんの家族が処方せんを持ってきました。普段はご本人なのにどうしたのかな?とお話を伺うと
腹痛がひどい、とにかく調子が悪い
とのことでした。
お薬が出ていれば症状がきれいさっぱりなくなるわけでなく、治療が難渋しているようでした。
参考:
国立成育医療研究センター 好酸球性胃腸炎
難病情報センター 好酸球性胃腸炎

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