アレジオン®点眼とジクアス®点眼にはLX製剤がある。
今回は通常の点眼剤とLX製剤とでは何が違うのか比較して紹介したい。
アレジオン®点眼液0.05%
適応:アレルギー性結膜炎
用法用量:通常、1回1滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼
添加物:リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、ホウ酸、塩化ナトリウム、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤
アレジオン®LX点眼液0.1%
2019年11月発売。
適応:アレルギー性結膜炎
用法用量:通常、1回1滴、1日2回(朝、夕)点眼する。
添加物:リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、pH調節剤
両者の違い:濃度が異なる。また、微妙に添加物が異なる。
共通点:適応は同じ。防腐剤としてベンザルコニウムを含有していない。また、ソフトコンタクトレンズに関する注意点は添付文書には記載はない。
アレルギー性結膜炎に適応があるパタノール®点眼液はベンザルコニウム塩化物を含有するため、「含水性ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼することは避けること」となっている(2022/9月時点)。
実は、アレジオン®点眼液も以前はベンザルコニウムを含有する製剤だったが、改良によりベンザルコニウムを含まない製剤となった経緯がある。
もしかしたらパタノール®点眼液も近い将来そうなるかもしれない?
アレジオン®LX点眼液0.1%は通常の製剤より濃度が2倍高く、高濃度化により効果に持続性を持たせている。通常1日4回の点眼が必要だった製剤が1日2回でよくなり、より使いやすくなっている。
なお、抗ヒスタミン薬の点眼の中で、1日2回の適応をもつものにはアレギサール®点眼液がある。
続いてジクアス®。
ジクアス®点眼液3%
適応:ドライアイ
適応:通常、1回1滴、1日6回点眼する。
添加物:塩化カリウム、塩化ナトリウム、クロルヘキシジングルコン酸塩液、リン酸水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤
ジクアス®LX点眼液3%
2022年6月20日に製造販売が承認。
適応:ドライアイ
適応:通常、1回1滴、1日3回点眼する。
添加物:リン酸水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム、ポビドン、硝酸銀、pH調節剤
両者の比較:実は濃度はどちらも同じ。
添加物は異なっており、LX点眼液は粘稠化剤としてPVP(ポリビニルピロリドン、別名ポビドン)を新たに添加することで濃度を変えることなく点眼回数を低減した、日本初の1日3回ドライアイ点眼薬である。
共通点:適応は同じ。防腐剤としてベンザルコニウムを含有していない。また、ソフトコンタクトレンズに関する注意点は添付文書には記載はない。
国内2,645 例のドライアイ患者を対象に行われた点眼実態に関するWebアンケート調査では、ジクアス®点眼液3%(添付文書通りの点眼回数:1日6回)処方患者で1日の点眼回数が4回以下だった患者の割合が約80%であったことが報告されている(参考IF)。
このようにドライアイ患者が1日6回製剤を正しく使うということが難しいことから1日3回製剤へ開発へと至った。
☆1日6回ってかなり大変ですよね?自分なら1日3回製剤を使用したいですね。
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