調剤薬局における薬袋・薬情・手帳への記載事項をまとめてみました。
容器・被包(≒薬袋等)への記載事項
1)患者の氏名
2)用法・用量
3)調剤年月日
4)調剤した薬剤師の氏名
5)調剤した薬局の名称と住所
☆薬袋には調剤印(調剤年月日、調剤した薬剤師名)を押しましょう!
薬情への記載事項
1)調剤した薬剤に関する事項
〇名称、形状
〇用法・用量
〇効能・効果
〇副作用及び相互作用
2)服用及び保管取扱い上の注意事項
3)保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
4)保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
5)調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報
〇該当する後発医薬品の薬価基準への収載の有無
〇該当する後発医薬品のうち、自局において支給可能又は備蓄している後発医薬品の名称及びその価格(当該薬局において備蓄しておらず、かつ、支給もできない場合はその旨)
☆投薬をした薬剤師名が印字されていない場合は、薬剤師名の印を薬情に押しましょう!
☆薬情は処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、交付する必要はありません。患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断します。なお、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴の記録に記載します。
手帳(おくすり手帳)への記載事項
1)調剤日
2)調剤した薬剤に関する情報
〇名称
〇用法、用量
〇重大な副作用や有害事象等を防止するために、特に患者が服用時や日常生活上注意すべきこと。あるいは、副作用や相互作用に関する情報等。
3)手帳に初めて記載する保険薬局は、その保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を記載。
平成30年度の「乳幼児服薬指導加算」を算定する場合は、次の4と5も記載します。
4)処方せん受付時に確認する内容
〇体重
〇適切な剤形
〇その他必要な事項等
5)服薬方法・誤飲防止等に関する指導内容の要点
☆4)と5)は手帳だけではなく薬歴にも記載することに注意が必要です。
☆効能効果や、投薬した薬剤師名の記載(印)は不要のようです。
☆記載されていない情報がある場合は薬剤師が記入するか、もしくは患者自身に記入してもらいます。
☆患者が手帳を使用しない場合は、その理由を薬歴に記載します。
☆活用している手帳を複数持っている場合は1冊にまとめます。1冊にまとめない(患者希望でまとめられない)場合は、その理由を薬歴に記載します。
☆手帳は医師・歯科医師に見せるよう説明します。
☆患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に貼るシールなどを交付し、次回以降 手帳に貼られているか確認します。
そもそも(おくすり)手帳とは?
「手帳」とは次の事項を経時的に薬剤の記録が記入できるもの指します。
1)患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
2)患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
3)患者の主な既往歴等疾患に関する記録
より詳細な情報はこちら。
薬剤師法第二十五条
薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤した薬剤の容器又は被包に、処方せんに記載された患者の氏名、用法、用量その他厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。
薬剤師法施行規則第十四条
法第二十五条の規定により調剤された薬剤の容器又は被包に記載しなければならない事項は、患者の氏名、用法及び用量のほか、次のとおりとする。
〇調剤年月日
〇調剤した薬剤師の氏名
〇調剤した薬局又は病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二号に規定する診療施設をいい、往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者を含む。以下同じ。)の名称及び所在地(往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者のうち、法人以外の者にあつては、その氏名及び住所とする。以下同じ。)
平成30年度 調剤報酬点数表
<薬剤情報提供書(薬情)に関する抜粋>
(1)
ア
(イ) 当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、形状(色、剤形等)
(ロ) 用法、用量、効能、効果
(ハ) 副作用及び相互作用
(ニ) 服用及び保管取扱い上の注意事項
(ホ) 保険薬局の名称、情報提供を行った保険薬剤師の氏名
(ヘ) 保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等
オ
薬剤情報提供文書により、調剤した薬剤に対する後発医薬品に関する情報について患者に提供すること
(5)
なお、薬剤情報提供文書については、処方内容が前回と同様の場合等においては、必ずしも指導の都度、患者に交付する必要はないが、患者の意向等を踏まえた上で交付の必要性を判断し、交付しない患者にあってはその理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
<手帳に関する抜粋>
11) 「手帳」とは、経時的に薬剤の記録が記入でき、かつ次のアからウまでに掲げる事項を記録する欄がある薬剤の記録用の手帳をいう。
ア 患者の氏名、生年月日、連絡先等患者に関する記録
イ 患者のアレルギー歴、副作用歴等薬物療法の基礎となる記録
ウ 患者の主な既往歴等疾患に関する記録
手帳の当該欄については、保険薬局において適切に記載されていることを確認するとともに、記載されていない場合には、患者に聴取の上記入するか、患者本人による記入を指導するなどして、手帳が有効に活用されるよう努める。
なお、手帳に初めて記載する保険薬局の場合には、保険薬局の名称、保険薬局又は保険薬剤師の連絡先等を記載すること。
(12) 手帳については、患者に対して、手帳を活用することの意義、役割及び利用方法等について十分な説明を行い、患者の理解を得た上で提供することとし、患者の意向等を確認した上で手帳を用いないこととした場合にあっては、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。なお、手帳を活用しているが、持参を忘れた患者に対しては、「注1」のただし書の点数を算定することになる旨説明するとともに、次回以降は手帳を持参するよう指導すること。
(13) (1)のウの手帳への記載による情報提供は、調剤を行った全ての薬剤について行うこととする。この場合において、「服用に際して注意すべき事項」とは、重大な副作用又は有害事象等を防止するために特に患者が服用時や日常生活上注意すべき事項、あるいは投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用を含む。)等であり、投薬された薬剤や患者の病態に応じるものである。
(ウ:手帳を用いる場合は、調剤を行った薬剤について、調剤日、当該薬剤の名称(一般名処方による処方箋又は後発医薬品への変更が可能な処方箋の場合においては、現に調剤した薬剤の名称)、用法、用量その他必要に応じて服用に際して注意すべき事項等を患者の手帳に経時的に記載すること。)
(14) 手帳による情報提供に当たっては、患者に対して、保険医療機関を受診する際には医師又は歯科医師に手帳を提示するよう指導を行う。また、患者が、保険医療機関や他の保険薬局から交付されたものを含め、複数の手帳を所有していないか確認するとともに、所有している場合は患者の意向を確認した上で、同一の手帳で管理できると判断した場合は1冊にまとめる。なお、1冊にまとめなかった場合については、その理由を薬剤服用歴の記録に記載する。
15) 患者が手帳を持参し忘れた場合は、手帳に追加すべき事項が記載されている文書(シール等)を交付し、患者が現に利用している手帳に貼付するよう患者に対して説明することで、既に患者が保有している手帳が有効に活用されるよう努めるとともに、当該患者が次回以降に手帳を持参した場合は、当該文書が貼付されていることを確認する。
(16) 電子版の手帳については、「お薬手帳(電子版)の運用上の留意事項について」(平成27 年11 月27 日薬生総発第1127 第4号)の「第三 運営事業者等が留意すべき事項」を満たした手帳であれば、紙媒体の手帳と同様の取扱いとする。その際、保険薬局においては、同通知の「第二 提供薬局等が留意すべき事項」を満たす必要がある。
(17) 手帳の媒体(紙媒体又は電子媒体)は患者が選択するものであり、手帳の提供に当たっては、患者に対して個人情報の取扱い等の必要事項を説明した上で、患者の意向を踏まえて提供する媒体を判断すること。
(18) 紙媒体の手帳を利用している患者に対して、患者の希望により電子版の手帳を提供す場合には、電子版の手帳にこれまでの紙媒体の情報を利用できるようにするなど、提供する保険薬局が紙媒体から電子媒体への切り替えを適切に実施できるよう対応すること。
<乳幼児服薬指導加算に関する抜粋>
ア 「注6」の乳幼児服薬指導加算は、乳幼児に係る処方箋の受付の際に、体重、適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導を行った場合に算定する。
イ 乳幼児服薬指導加算を算定した処方箋中の薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話等により当該処方薬剤に係る問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行うこと。
ウ アにおける確認内容及び指導の要点について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載する。
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