処方せんの使用期間
処方せんの使用期間は交付の日を含めて4日以内です。
この4日以内には土日や祝日も含まれますので、注意が必要です。
例えば、金曜日に処方せんが交付され、日曜日と月曜日が休みの場合は、処方せんの提出期間は金曜日と土曜日しかないことになります。
なお、長期の旅行などの特殊の事情があり、医師や歯科医師が、処方せんに別途使用期間を記載した場合には、その日まで有効となります。
参考:
厚生省のwebサイト
保健医療機関及び保険医療養担当規則 第二十条 第三号イ
病院が処方せんを交付するとき、使用期間があることを伝えていることはまれで、多くの患者さんは使用期間について知りません。病院・薬局は、使用期間についてもっと情報提供をする必要があると考えられます。
使用期間が過ぎた処方せんの取り扱い
使用期間が過ぎた処方せんは、処方せんの効力はなく、薬品名等が記載されているただの紙と同じ扱いになります。
そのため、使用期間が過ぎた処方せんを保険を使って調剤することはできません。
患者さんから「何とかしてよ」、「病院に聞いてよ」などと言われても期間延長に関する疑義照会をしてはいけません。疑義照会による期間延長は認められていないからです。
参考:中国四国厚生局 平成27年度に実施した個別指導に関して
処方せんを発行した病院がこのことを知らないケースも多く、電話一本で延長可能の返事をもらえることがあるのも事実です。しかし、これを理由に期間の延長をすることは認められていません。
では、どうすればいいのか?
①処方せんの再発行
使用期間の過ぎた処方せんは無効のため、医療機関で処方せんの再発行をしてもらう必要があります。ただし、再発行には保険は適応されないため、この部分にかかる費用は全額自己負担となります。
②別途使用期間を記載
長期の旅行などの特殊の事情がある場合は、事前に医師に相談をして別途使用期間を記載してもらいましょう。ただし、「薬局に出し忘れた」など「特殊といえない事情」では認められないと考えられます。
③とにかく薬局に提出
様々な事情で薬局で待っている時間がない場合は、有効期間内に処方せんだけを先に提出してください。処方箋の提出期間は決まっていますが、提出後の薬の受け取り期間の規定はなく、処方せんの有効期間から1~2日過ぎて薬をとりに行くことが可能です。
最後に…
患者さんに処方せんの使用期間の延長を強要をされた場合、これは違法行為の強要になります。それは、処方せんを偽造・変造することは違法行為(有印私文書偽造罪)だからです。使用期間の延長を薬局の判断で勝手にすることは処方せんの変造に該当するため、毅然とした対応をする必要があります。
●Twitterをやっています!【くすりカンパニー】。
「お仕事の依頼」・「当サイトに記事を載せたい方」・「当サイトの記事を使いたい方」・「当サイトをご支援していただける方」を募集中!DMにてご連絡ください。