Contents
管理指導の名称
医療保険:在宅患者訪問薬剤管理指導
介護保険:居宅療養管理指導
届出
在宅患者訪問薬剤管理指導(医療保険)に関する届出が必要です。
一方、居宅療養管理指導(介護保険)に関する届け出は不要です(居宅サービス事業所のみなし指定とされるため)。
なお、介護報酬のレセプト請求のための届け出は必要です。忘れずに行いましょう。
利用者が生活保護の場合は、「生活保護法及び中国残留邦人等支援法に基づく指定介護機関申請書」を提出する必要がありますが、H26.7/1以降に新規開局した薬局はみなし指定となるため、この提出は不要です。
*生活保護法の指定医療機関の指定を受けていても、別途、指定介護機関の申請が必要なことに注意です。
医師の訪問指示
在宅患者訪問薬剤管理指導、居宅療養管理指導のどちらも指示が必要です。
サービスの対象者
在宅患者訪問薬剤管理指導:
要介護認定は受けていないが、通院が困難な人(薬局から原則16km以内に家がある人)。
居宅療養管理指導:
要介護認定を受けていて、通院が困難な人。16kmルールはありません。
対象年齢に注意!
1)65歳以上
2)40~64歳の場合は特定疾病(末期がん、脳血管疾患など)に該当
契約書・重要事項説明書の用意、説明
在宅患者訪問薬剤管理指導:契約書・重要事項説明書は不要で、口頭の説明だけでOKです。
このように、算定上は不要ですが、トラブルを避けるため作成したほうがよいでしょう。
居宅療養管理指導:必要です。
薬学的管理指導計画書
在宅患者訪問薬剤管理指導、居宅療養管理指導のどちらの管理指導にも必要です。
処方医、他の医療関係者からの情報をもとに作成します。
(1)実施すべき指導の内容、(2)利用者宅への訪問回数、(3)訪問間隔─などをこの計画に記載し、薬剤服用歴の記録(薬歴)に添付するなどの方法で、薬局に保管します。
少なくとも月に1回は見直しが必要なので忘れずにしましょう。
管理指導を算定するときの間隔
在宅患者訪問薬剤管理指導料、居宅療養管理指導費のどちらも、月2回以上算定する場合は、前回算定日から6日以上間隔を空けなければなりません。
緊急時訪問薬剤管理指導料
医療保険でのみ算定可能です。介護保険には該当項目がなく算定不可です。
介護保険対象者に同指導料を算定するときは、この部分だけを医療保険で請求することが可能です。
管理指導の料金、算定の回数
在宅患者訪問薬剤管理指導、居宅療養管理指導のどちらの管理指導でも、患者一人につき、月4回まで算定可能です。
末期の悪性腫瘍等の場合は週2回かつ月8回まで算定可能です。
在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)
単一建物診療患者が1人 650点/回
単一建物診療患者が2~9人 320点/回
単一建物診療患者が10人以上 290点/回
薬剤師一人当たり週40回まで算定可能です。
介護予防居宅療養管理指導費/居宅療養管理指導費(介護保険)
単一建物診療患者が1人 507単位/回
単一建物診療患者が2~9人 376単位/回
単一建物診療患者が10人以上 344単位/回
薬剤師一人当たりの算定回数制限はありません。
なお、居宅療養管理指導費は、利用者の方の介護認定によって名称が異なりますが、どちらも点数(単位)・算定要件は同じです。
要支援1〜2:介護予防居宅療養管理指導費
要介護1〜5:居宅療養管理指導費
注意!レセプト請求をするときは、「単一建物診療患者が複数」の場合はその人数をしっかりと書いてから請求しましょう!
請求・領収書
医療保険対象者は、医療保険で請求し、通常通り発行します。
介護保険対象者は、訪問サービス部分は介護保険で請求、領収書を発行します。その他の基本料、薬剤料、技術料、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料、在宅患者調剤加算等は医療保険で請求・領収書を発行します。
注意!このとき医療保険の薬剤服用歴管理指導料の算定は外すこと!
介護保険対象者は、介護保険と医療保険の2枚の領収書を発行することになります。
生活保護の患者の場合
介護認定上の自立判定もしくは年齢が若く介護認定対象者でなければ、医療保険で請求するため、「調剤券」があれば大丈夫です。
介護保険適応患者の場合は、訪問サービスの部分を介護保険で請求するので、「介護券」が必要になります。それ以外の部分は医療保険で請求します。
報告書の送り先
報告書は、月に複数回指導を行った場合はその都度送ります。
在宅患者訪問薬剤管理指導:医師のみ。算定上はケアマネージャーには不要ですが、連携のことを考え報告書を送りましょう。
居宅療養管理指導:医師、ケアマネージャー。ケアマネージャーに報告しないと算定できませんのでご注意を。
その他
介護保険を利用する場合は、介護保険被保険者証を初回時・必要時に確認しましょう!
●Twitterをやっています!【くすりカンパニー】。
「お仕事の依頼」・「当サイトに記事を載せたい方」・「当サイトの記事を使いたい方」・「当サイトをご支援していただける方」を募集中!DMにてご連絡ください。